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V字研メルマガ vol.72 「ガラケー生産中止と『もくもくの成長法則』」

「ガラケー生産中止と『もくもくの成長法則』」

突然ですが、あなたはスマホをお使いですか?
それともガラケー使用者ですか?

今朝の日経Webに「17年以降、従来の携帯電話の生産終了」
の記事が載っていました。

私は、データ通信はスマホですが、音声通信はガラケー愛用者です。
バッテリーの関係でそのように使い分けているのですが、
早晩こんな使い方もできなくなるのかと思うと残念です。

そこで今回は、ガラケー自体がどのように進化してきたのか
振り返ってみたいと思います。

私は事業の進化を考えるとき、独特の見方をしています。
日本で最も成功した農業パークと言われる
「伊賀の里もくもく手作りファーム」の常務に
教えていただいた3段階の成長法則です。

常務は、レストランには3種類あるといいました。
第一段階は「胃」で食べるレストラン。
「おなかがすいたから何か食べたい」ときのレストランで
お客様は空腹を「充足」することができます。

第二段階は「舌」で食べるレストラン。
「美味しいものを味わいたい」ときのレストランで
お客様は自分の生活を「向上」させることができます。

第三段階は「脳」で食べるレストラン。
食材や料理、接客等へのこだわりを理解しながら
知的にも文化的にも健康的にも豊かになるレストランで、
お客様や地域の「価値創造」に貢献しています。

そして常務は、「レストランは『充足→向上→価値創造』の順で
成長していく」と言います。
名駅や栄にある「モクモク直営農業レストラン」は
いつ行っても行列ができていますが、
第三段階の「価値創造」を大切にしているからでしょう。

これを私は「もくもくの成長法則」と勝手に命名しています。
というのも、レストランに限らずあらゆる事業はこの
「充足→向上→価値創造」で成長しているように思うからです。

ガラケーの場合も、当初は「充足」目的で普及しました。
いつでもどこでも音声通話できることへのニーズは強く、
一気に普及しました。

次に、携帯を使ったデータ通信が始まりました。
『i-mode革命』などともいわれましたが、
携帯から仕事や生活のレベルを上げる
様々な情報をとることができるようになりました。

とりわけ、「何時に○駅に行くには、何時に出ればよいか?」に
瞬時に応えてくれる機能や、携帯を通して新幹線のチケットを
予約できる機能は、私にとっては大変便利なものでした。
おかげで私の仕事の生産性は大変「向上」しました。

待ち受け画面や着メロなどで自分の携帯を
個性的にすることもできました。これも「向上」ですね。

このように私たちの生活に
「充足」と「向上」をもたらしたガラケーですが、
残念ながら「価値創造」にまで至りませんでした。
「価値創造」を担ったのは、スマホです。

スマホは、細切れ時間を有効な時間に変えてくれました。
「ゲームをする」「調べる」「動画を見る」「漫画を読む」
「新聞を読む」「音楽を聴く」「写真を撮る」
「友達と話す」「注文する」「予約する」「発信する」…

ガラケーは「充足」においてはスマホ以上のものを
持っていると思います。
が、「向上」や「価値創造力」ではスマホには及びません。
よって市場での役目が終わり、退場するのでしょう。

私は、仕事柄多くの新規ビジネス案に出会います。
が、企画者の99%までは、「充足」までしか考えていません。
「充足」されたら次にどんな「向上」を提供するのか、
またその先にどんな「価値創造」をするのか
見えていない人がほとんどです。

そんなとき、私は価値創造まで企画者に
空想するように求めます。
それは、「誰の、何のためにその事業をやるのか」という
使命(ミッション)を考える行為と同じであり、
それが見えると「ぶれない軸」ができるからです。

もしあなたの会社で、今、新規ビジネスの構想が進んでいるのなら
是非、そのビジネス案が何を「充足」し、
それが満たされたら、ユーザーの何が「向上」し、
社会にどんな「新しい価値が生まれる」の考えてみましょう。
そこにワクワクできたら、そのプランはきっと成功するでしょう。

 

V字研メルマガ vol.71 「若手社員がブランド力を高める」

「若手社員がブランド力を高める」

皆さんの会社には今年新卒社員が入社しましたか?
そして、皆さんの近くに配属されましたでしょう?

近年は、新卒者の教育に力を入れる会社が随分増えています。
私にも、今年は2社から新人研修講師の要請がありました。
実はこれまで新人研修の講師などやったことがありません。
そのための商品化もPRもしたこともありません。

それなのになぜオファーが来るのか?
それは、従来の新人研修に比べて要求事項が
格段にハイレベルになってきているからです。

背景には団塊世代の後を埋める即戦力が欲しいとか、
グローバル人財が欲しいなど様々な要因があります。
が、表題の様な「若手社員が企業のブランド力を高める」ことも
ひとつの要因となっています。

では、「若手社員がブランド力を高める」とはどういうことでしょうか?
例えば、私が「従業員が主体性を発揮している会社を観てみたい」と
希望するクライアントを、よく岐阜市にあるT社にお連れします。

T社は、こうした見学をとても歓迎してくれます。
見学に行くと、まず会議室に通されて
社長や専務から同社の説明を受けます。
このとき机の上には資料が美しく、きれいに並べられています。
さらにそこには見学者ひとり一人に宛てた、
グリーティングカードが置かれています。
さらに見学者の名前入りのペットボトルも置いてあります。

誰がこのような準備をしているのかと言えば、
それは同社の若手社員のグループです。
彼らが、見学者に楽しんでもらうにはどうしたらよいのかを、
それこそ東京ディズニーリゾートの社員並みに考えて、
準備してくれるのです。

工場の見学時には、社員が各加工場の説明をしてくれます。
このとき説明を担当してくれるのは若手社員です。
自工程の内容と、昨今改善した個所について丁寧に
わかりやすく、そして堂々と説明してくれます。

見学した経営者の皆さんは、この説明力に驚きます。
多くの会社では、工場見学の説明者は
それぞれの加工場の責任者=係長以上と相場が決まっています。
それを、入社2年目の20歳の若者がやるのです。
皆さん「すごい!20歳なのに立派だ!」と、一目ぼれ状態です。

若者のこうした仕事ぶりは、
「彼はすごいが、彼をここまで訓練している会社がスゴイ。
若手社員をここまで教育できる会社がスゴイ」という
印象を見た人に残します。
つまり、若手社員が企業のブランド力を高めているのです。

そのため、私の元に届く新入社員研修の
オファーの内容もハイレベルです。
例えば、以下はある小売チェーン店から来たオファーです。

「結果重視の企業姿勢を体感できる研修が良い」
「主体性を発揮する人財育成に繋がる研修が良い」
「より現場に即したプログラムであること」

そこで私は新人同士が配属されたお店の一画を担当として持ち、
その一画の「売上げ目標達成率を競うコンテストをやりましょう」、
と提案しました。期間は約2か月間です。

ただし、新人だけで簡単に売り場はできません。
そこで初期の集合研修には新人と一緒に店長も参加し、
一緒に売り場づくりの計画を策定していただくようにしました。
つまり、店長がメンター役となり、新人をサポートするのです。

そして、できた計画を新人は店内で発表し、
同じ店舗の先輩社員やパートさんの力を借りながら
目標達成に向けて歩んでいきます。

途中、幾度も壁にぶつかると思いますが、その都度
「どうしたらもっと売れるのか?」を考えて
お客様の声を聴き、店の人と何度もミーティングし、
最後には入社後初の達成感を味わっていただく、そんな研修です。

この研修の実行はこれからですが、
こうした経験を経た社員は、上記のT社の社員のように
多くの来店者を感動させ
T社のブランド力向上に貢献するでしょう。

このようなハイレベルな研修が求められている時代です。
新人だからとして甘く見てはいけません。
あなたの隣にいる新人を活かし、企業価値を高めていけるかどうか。
それが、先輩であるあなたに求められているのです。

 

V字研メルマガ vol.70 「値決めこそ経営」

「値決めこそ経営」

今回も大塚家具ネタです。

大塚家具は「おわびセール」と題して、
最大50%OFFのセールを行いました。
どれだけの来場・売上があったかはわかりませんが、
「騒動を逆手に取った見事な商法」などと絶賛している
コンサルタントもいました。

しかし、私は値引き販売する同社を
上記の人のように喝采する気にはなれません。
その理由は以下の3つです。

第一に利益が吹き飛ぶからです。
第二に、常連客を失うからです。

最近は、クーポン券が当たり前に手に入ります。
すると、美容室やエステ、ホテル等では、
常連客よりも、初めてその店を利用する初めて客の方が
単価が安い、ということが起きています。

それを不満に思うのは常連客です。
特に、何度も利用している常連客は、
容赦なく「こんな店、二度と来ません」と去っていきます。
自分に状に特別扱いされる人がいることに耐えられないのです。

第三は営業マンが弱くなるからです。
売るときに安くできるのなら、こんな楽なことはありません。
「今なら30%引きで提供できます」
「思い切って半額にしちゃいます」
なんていえば、誰でも売ることができます。

すると、努力しない営業マンが増えてしまうのです。
とりわけ家具の場合は、商品を売る力より、
お客様の理想の住まい方を聞き、
その上で提案する「目利き力」が何より必要です。

お客が正価を支払うのは、その営業マンが持つ「目利き力」や、
自分の潜在的なニーズを引き出してくれた
「おもてなし力」に感謝をし、それを認めたからです。

だから、値引き販売を禁止している会社の営業マンは、
必死で勉強します。

例えば、経営品質賞受賞企業として有名な、高知県の
ネッツトヨタ南国では、「他社より価格が5%高くても
『買いたい』と言われる会社」を目指しています。

どこに行っても売っている車は同じです。
ですから値引き要求は自動車ディーラーの宿命です。
が、同社はそれを目利き力やサービス力で克服できると信じています。

そして個々の営業マンやサービスマンの
接客力や商品知識を磨き、CSを上げるための改善策を皆で考え、
日々実践しています。その結果、客数を増やし続けています。

営業指導で有名なコンサルタントの箱田忠昭さんは、
差別化の優先順位について次のように語っています。

「営業マンは何よりも『商品』で差別化せよ
商品で差がつかない時は『サービス』で差をつけよ
サービスで差がつかない時は『諸条件』で差をつけよ
諸条件で差がつかない時は『担当者』で差をつけよ
担当者で差がつかない時は『価格』を下げよ」

この優先順位をそのまま解釈すると、
価格を下げるのは、あらゆる差別化が不能で、
なおかつお客様から
「あなたが担当では私は不満だ。
だからその分値段を下げてくれ」
と言われたのと同じ屈辱となります。

私は若い頃にこの箱田先生の教えを知って以来、
営業マンには価格以外の4つのいずれかで
差別化するよう指導してきました。
上記のような屈辱を味わってほしくないからです。

安易な値引き販売は、一時的顧客が増える施策です。
が、薬に例えれば一時的な痛みを忘れるモルヒネの様なもの。
何度も打てば利き目はなくなり、体力の低下を招きます。

今回の大塚家具の値引き販売が
同社復活の契機となるのか、
それとも弱体化の引き金となるのか
ウオッチしていきたいと思います。

 

V字研メルマガ vol.69 「どっちが正しい?大塚家具の親子戦争」

「どっちが正しい?大塚家具の親子戦争」

前回、大塚家具のことを書きました。
そしたら、その日に出会った2人も経営者から
まったく同じ質問をされました。

「酒井さんは、先代(親父)と社長(娘)、どっちが正しいと思う?」

前回のメルマガは、どっちが正しい、とかではなく、
「企・業・絆」という、企業が取りうる3つの戦略について
皆さんにお伝えしました。

ニトリのような入り易い店を創る「業」を基本戦略とする社長と
来たお客さんを会員にし、寄り添う「絆」を基本戦略とする先代。
その違いをお伝えしたのですが、見方を伝えただけでは、
このメルマガの読者の皆さんには喜んで頂けないみたいです。

そこで今回は、私の見解をお伝えします。
大塚家具は先代の戦略の方が優れていると思います。

理由は3つあります。
第一に大塚家具で買う人は、「寄り添い」を求めているからです。

以前、「ヤナセユーザーはなぜレクサスに切りかえないのか?」と
ヤナセユーザーに尋ねたことがあります。
トヨタ車の方が、まず壊れないからです。

するとその人は「壊れたら、すぐに代車を持ってきてくれます。
代車に乗るのも楽しみなんですよ」と答えました。
壊れるというリスクを、ヤナセは同社ならではの
寄り添い力でカバーしているのです。

大塚家具のファンは、「絆」が命なのです。
そのようなお客様には、店が入りやすさは関係ないでしょう。

第二に、社長の戦略に独自性が感じられないからです。

社長がとろうとしている戦略は、
「ニトリのような」「IKEAのような」というように
他社の名前がついて紹介されている。
もうその時点で、差別化できていない証です。

マスコミが「ニトリのような店…」と書けば書くほど、
読者は本家本元の「ニトリ」が見たくなります。
そして、本家本元の方が優れているんだ、との印象を持ちます。
つまり、本来差別化したい他社の宣伝を
バンバンやってしまっているのです。

スポーツ選手で「松井二世」「イチロー二世」などと
言われた選手は山のようにいます。
しかし、彼らはまず大勢しません。固定のファンも造れません。

そして、本家本元の存在だけが大きくなっていきます。
それと同じことが、家具業界で起きてしまいそうです。

第3は、顧客リストを同社の最大の財産と考えれば、
家具販売の落ち込みをいろんな商材でカバーできるからです。

大塚家具は高級家具を購入した
顧客リストを何万と持っているはずです。
おそらく、そのリストは2000年以降に二世帯住宅を構えた
金満団塊の世代のリストだろうと思います。

その人たちはもう家具は必要ないかもしれません。
ただし、まだまだお金は使うだろうと思います。

彼らに対し、家具のメンテナンスはもちろん、
クルマや、家全体のメンテナンス、
あるいは自分自身の健康や資産のメンテナンス、
家族や友達との関係のメンテナンスなど
メンテナンスを切り口にしたリピート性の高いサービス商材を
各社とアライアンスを組んで提供することは可能なはずです。

「絆」が売りなのですから、
担当者がすべてのメンテナンスの窓口となり、
ユーザー宅にお邪魔してオーナーと茶話して帰る。
そんな総合メンテナンス会社への変身が可能ではないかと思います。

経営は、大きくするばかりが能ではありません。
少ない顧客でも、その顧客に「絆」を施し、
充実したサービスを提供し続ければ選ばれ続ける存在になることは、
老舗の旅館や料亭を見れば明らかです。

大塚家具は富裕層の顧客リストを持った会社なのだから
それを活かしてほしいと思います。

以上が私の意見ですが、皆さんはどう思われましたか?
外れた時は、どうぞ笑ってくださいね!

 

V字研メルマガ vol.68 「大塚家具の御家騒動から学んだこと」

「大塚家具の御家騒動から学んだこと」

8日、わが社は無事に開業一周年を迎えました。
偏に皆様の支えによるものです。本当にありがとうございます
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

そんなわが社の売りは、「企業の成長戦略の開発と実現を、
人材育成しながら支援する」というもの。

いくら良い事業計画を立案しても、
人が育たなければ絵に描いた餅。
だから、戦略を立案と育成を同時やる。

私には、至極当たり前のことをやっているつもりです。
が、多くのコンサルタントは、戦略は戦略、
人材育成は人材育成と分けて考えているようで、
よく「珍しいですね」と言われます。

そんな「戦略設計+育成」の立場から、ここ数か月間、
大塚家具親子による社長の座争いを興味深く見ておりました。

上場企業の親子対決ということで注目を集めましたが、
この二人の争いの本質は「前社長の戦略」と「現社長の戦略」の
どちらを獲るかという、戦略の争いでした。

一般に企業のマーケティング戦略には以下に示すように
「企・業・絆(き・ぎょう・はん)」の3種類があると言います。
企=くわだて =独創的で驚くような商品、サービスの提供
業=わざ   =安くて便利な商品、サービスの提供
絆=きずな  =お客様に徹底的に寄り添う「あなただけ」の提供

そして、企業は企・業・絆のどこにどれだけのウエイトを置くかで
特徴が決定づけられます。

例えば、以下は私のイメージですが
アップルは、企:業:絆=9:0:1、
ディズニーランドは、企:業:絆=9:0:1、
リッツカールトンは、企:業:絆=0:0:10、
しまむらは、企:業:絆=0:10:0、
そしてトヨタは、企:業:絆=3:5:2 となります。

では、大塚家具の場合はどうでしょうか?
前社長がとってきた戦略は、入り口で客に担当が付き
店内ずっとサポートする接客が一番のサービスでした。
これは「絆」に力を入れた戦略です。

一方、現社長の戦略は、ニトリやIKEAに近いと思われます。
これらの企業の戦略はデザイン性など「企」の要素もありますが、
多くの人は安いからニトリに行く。便利だから通販で買う。
でも別に会員ではない。つまり「業」に力を入れたものです。

大塚家具の親子の争いは「絆」か「業」かの争いだったのです。
これをホテル業界に喩えれば、
「絆」を重視したリッツカールトン路線で行きますか?
それとも「業」を重視したスーパーホテル路線で行きますか?
の選択です。

すると、このどちらかを選ぶかで、
会社そのものの仕組みが変わってしまうことがわかります。

マッキンゼーは、戦略が変わればそれから先、
組織→システム→スキル→人財→風土→価値観の順で
会社が変わっていくと言っています。
その流れで、「業」と「絆」でどう変わるか見てみましょう。

「絆」を選べば、百貨店のように店舗第一になります。
「業」を選べば、商品企画や物流が重要な会社になります。

「絆」を選べば、顧客管理がシステム上最も重要でしょう。
「業」を選べば、生産管理や販売管理がシステム上最も重要でしょう。

「絆」を選べば、接客力と商品知識が最も重要なスキルでしょう。
「業」を選べば、売り場づくりと商品開発が最も重要なスキルでしょう。

「絆」を選べば、インセンティブを重視した営業が多く必要でしょう。
「業」を選べば、人件費が安いパートさんが多く必要でしょう。

このような違いはそのまま風土の違いとなります。
そして、最終的には価値観の違いとなっていくのです。

大塚家具にとって「業」と「絆」のどちらが正しい選択なのか
私にはわかりません。
ただ、この選択は親子の顔を見て決めるものではありません。
決めるのは、これから家具を買おうとするお客様です。

新築住宅が増えるのか?二世帯住宅が増えるのか?
単身者世帯が増えるのか?可処分所得は上がるのか?
そこから生まれるニーズに応えるのが
「業」なのか「絆」なのかで選ぶべきなのです。

大塚家具は株主総会の結果、同社は「業」への道を選びました。
ニトリやIKEAとどう差別化を図るのか気になるところですが、
今後どのように進化するか、楽しみです。

 

V字研メルマガ vol.67 「新商品のアイデアは予期せざるものから」

「新商品のアイデアは予期せざるものから」

新年度になりました。
皆さんも、新たな気持ちに燃えていることと思います。

そこで今回は、新たな気持ちにふさわしいテーマとして
新商品のアイデア発見法をお伝えしたいと思います。

私が「発想法」とせず「発見法」としたのにはわけがあります。
「発想」というと机上に座り、紙とペンを持ち、
自分の頭でウンウン唸って考えるイメージがあります。

対して、「発見」というと「探す」イメージです。
唸って考えるのではなく、シャーロック・ホームズのように
眼鏡をもってウロウロ外を歩く。

すると、ある日「あ、これは!」とヒントが見つかります。
後はそれに自分流の解釈を加えて肉付けしていく。
そうやってアイデアを固めていくイメージです。

そんなアイデア発見法の代表的な例をひとつ紹介しましょう。
4月1日、「つけ麺」の生みの親といわれる
大勝軒の創業者・山岸さんが亡くなりましたが、
彼が発明した「つけ麺」は偶然から生まれたものでした。

以下は、ネット上の記事
「東京つけ麺の元祖『東池袋大勝軒』に迫る!
~ラーメンの歴史シリーズ その3~」からの引用です。
https://latte.la/column/14767340

「山岸氏は、修行時代から賄いとして残った麺を
スープと醤油を湯のみ茶碗に入れ、浸して食していました。
中野店の店長になってからもこのまかないを食べていたところ、
それを見ていたお客様の興味を惹き、食べてもらったら高評価でした。
『これをメニューにしたら売れるかもしれない』
と感じた山岸氏は試行錯誤を繰り返しました。
そして昭和30年、ついにメニューの一品として「もりそば」が完成しました」

つまり、最初から「商品を創るぞ!」と意気込んだのではなく、
自分が食べるためだけに「つけ麺」を作っていた。
そしたら、それがお客様にも受け、ヒット商品になったのです。

「つけ麺」は、ラーメン業界のイノベーションでした。
とりわけ私のような猫舌人間には、ラーメンを身近なものに
していただいたという点で、山岸さんにはとても感謝してします。

このような偶然から起きるイノベーションを
ドラッカー博士は「予期せざるもの」と呼んでします。
具体的には、「貴社にはこんな商品やサービスはありませんか?」という、
お客様から届いた思いがけない問い合わせです。

通常は、「申し訳ないがやっていません」と断ってしまう要望ですが、
それを断らずに、その中にヒントがあるのではないかと探します。
なぜなら、そこには問い合わせしてきたお客様の「確かなニーズ」があり、
それを提供できれば「買っていただける」可能性が高いからです。

山岸さんも、『これをメニューにしたら売れるかもしれない』と考えたのは
「それを見ていたお客様の興味を惹き、食べてもらったら高評価でした」と、
お客様のニーズがヒントになっていたからです。
逆に言えば、ハズレになる確率がとても低いのです。

成熟社会での商品開発は、
「投資→失敗」を繰り返すわけにはいきません。
ハズレを少なくするには、
誰かの確かなニーズがあるものを作ることです。
「技術」があるから創ったものではなく、
「ニーズ」があるから創ったものをマーケティングで広げる。
この順番を徹底するのです。

よって私は、新商品開発のコンサルを行うときは
常に「予期せざるもの」を探すところから始めています。
探し方は簡単です。
過去の受注伝票をめくる。営業日報をめくる。
その中に「予期せざるもの」がないかを探すのです。

見つからない場合は、これから半年かけて
そのようなオファーがないか、
すべての営業窓口に注意喚起し、記録を付けるのです。
すると、不思議なことに、必ず見つかるのです。
「予期せざるもの」に。

さあ、あなたも「予期せざるもの」探してしてみましょう。
ちなみに今年最初の私の「予期せざるもの」は、
新入社員研修のオファーでした。

どうやら新入社員に求めるスキルが
劇的に変わってきているようです。
私にとっては、今までやったことがない分野への挑戦。
どんな若者と出会えるのか、今からワクワクしています。

 

V字研メルマガ vol.66 「別れ方から逆算して考える」

「別れ方から逆算して考える」

4月になりました。昨年4月8日に創設された当社は
無事2期目を迎えることができました。
ひとえにご贔屓いただいた皆様のおかげです。
メルマガもお読みいただき誠にありがとうございます。

先日ある本を読んでいましたところ、
「一期一会」の意味の解説でこんなくだりを見つけました。

「一期一会とは、その人とはもう二度と会えないと考えて、
今の時間を大事にすること。それは、出会った瞬間に
その人とどのように別れるのか。
それを想定して付き合うことです」と書いてあったのです。

「いきなり別れることを考えるか?!」とビックリしましたが、
学校の先生などはそうかもしれないな、と思いました。
生徒はいつか卒業する。出会った瞬間から卒業する時のことを考えて
一緒の時間を過ごす。だから充実した時間になるということです。

そして、同じようなことがこのコンサルタントの世界で言えると
改めて、気づきました。といいますのも、
我が国の経営コンサルタントの草分けである
日本経営合理化協会の牟田学理事長の著書『社長学』に
次のように記してあったからです。

「コンサルタントにとって一番栄誉なことは
お客様から『先生、もう来て頂く必要はありません。
後は、自分たちでできますから』と言われることだ」。

これは、お客様との「理想の別れ方」を示したものです。
牟田先生は、クライアントの中に「できる人財」を育ててこそ、
一番価値のあるコンサルティングだと言っています。

これを読んだのは20年以上前ですが、
このような終わり方ができる仕事に憧れました。
そして、私自身はそこから逆算してコンサルティング内容を考え、
実践してきました。

ただし、このスタイルは大手のコンサル企業内では
アウトローなやり方でした。
とりわけ大企業のお客様が求めるコンサルティングには、
クライアントの経営戦略部門のアウトソーサーとして、
経営資源を分析し、新事業案を考え、海外展開する
グランドデザインを描くものがあります。

このスタイルのコンサルは、単価は高いです。
しかし、大きな欠点もあります。
それは、お客様側は戦略や制度を手に入れるものの人が育ちません。
当然、牟田先生の言う理想の別れ方はできなくなります。

そこで私は、独立に当たって
お客様のアウトソーサーになるのは辞めようと決意しました。

逆にお客様自身の手で問題の発見から戦略を立案し、
実践し、成功体験していただく。
そのためのメンターに徹することを基本スタイルにしました。

具体的には、テーマにもよりますが
期間は半年、1回の訪問は3時間程度。
同じお客様を6~12回訪問し、
課題解決をサポートするプログラムになっています。

その結果、昨年度の私の出張は通算で190日。
地元のお客様も含めほぼ毎日客先訪問する状態となりました。

では、牟田先生の言う「理想の別れ方」ができたのか?
というと…確かに、多くのお客様の社員さんが
逞しく成長していく姿をほぼ毎日、全国で見ることができました。

しかし、「もう来なくていいです」には、なかなか至りません。
なぜなら、一つの問題が解決すると
「次は、こっちの問題をお願いします」と
社内の別の課題に取り組む…という形で継続するからです。

これは今に始まったことではありません。
私には出会ってから20年以上のお付き合いになる
お客様が複数います。

これらのお客様からはひとつの課題が解決するたびに
「もう大丈夫です。後は自分でできます」と言われます。
が、数年後には違う問題で連絡を頂きます。
そしてそれを別のメンバーと解決します。
すると、「別れる」ではなく「長く続く」になるのです。

このような経験をすると、改めて「一期一会」の意味や
「理想の別れ方」を定義することの価値に気付きます。
「別れ方」から逆算して考えることで、
より充実した中身を求め、行動することができ、
結果的に「長く続く」になるのです。

ビジネスの世界に2年目のジンクスはないと思いますが
今期も「一期一会」を意識した、
真にお役に立てる仕事を続けていきたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます

 
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株式会社 V字経営研究所

株式会社V字経営研究所は、2014年4月に起業した、次世代経営チームの育成を支援するコンサルティング会社です。 「 事業と人財のV字回復するプログラム、あります 」 をスローガンに、企業の最重要課題である増収増益の実現と人財が育つ仕組みづくりを支援します。また、その実践を通じて社長が右腕と頼む次世代経営チームを育てます。次世代経営チームが強くなれば、今日出会ったお客様と、100年後も付き合い続けることができるでしょう。
企業がそのような100年ブランドへと成長することが当社の理想です。

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