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V字研メルマガ vol.75 「問題解決策を選ぶ4つの評価基準」

「問題解決策を選ぶ4つの評価基準」

さわやかな五月晴れ続きかと思ったらいきなり台風来襲!
びっくりです。大雨にならないといいですね。

さて、前回マネージャの大事な仕事は
「部下に『どうしたらいいと思うか?』を考えさせること」と
書いたところ、読者から次のような質問を頂きました。

「到底実現できない大きなことばかり出てくるのですが…」
そこで今回は、このようなときに
マネージャはどうしたらいいかを考えてみたいと思います。

まず、アイデアはどんな内容でもいいから
出尽くすまで出させましょう。

最初から「今すぐできることに絞って考えましょう」とやると、
必要以上に発想を止めてしまうリスクがあります。
ブレーンストミングと同じようにまずは発散です。

対策案が出尽くしたら、次は絞り込みですが、
絞り込むときの基準は以下の4つが一般的です。

1. 実現可能性(自分たちでやれること)
2. 経済性(コストがかかりすぎないこと)
3. 即効性(効果が出るのが早いもの)
4. 納得性(周囲の理解が得られること)

各アイデアにそれぞれの視点で◎や△を付けていき、
これを点数化して得点が高いものを選びます。

例えば、「仕事量が多すぎる」「スピードが遅い」が
問題となっている場合、
よく「専門部署を創るべきだ」という対策案が出ます。
確かに、それはひとつの方法です。

しかし、自分たちの負担が重いから
「誰かが代わりにやってくれたらいい」という発想は、
余りにも短絡的です。人はどうするんだと聞くと、
「採用すればいい」といいます。

そうなると、上記4つのうち
2「経済性」や3「即効性」で×となります。
さらに1の中に「自分たちでできること」との縛りがあれば
1も×です。そうやって、無責任な案が落ちていきます。

以前、ブラザー工業に勤めていた時、
OEM先の工場に行って徹夜で修理をしたことがあります。
商品はキーボード。その中の特定のキーが抜ける、
という問題が発生しました。
原因はキーのある部分が細かったことでした。

本来なら新しいキーに取り換えるべきですが、
それを待っていたら納期的に間に合いません。
そこで、ブラザーと客先の課長間で対策を話しあい、
現場で抜け落ちるキーにハンダで傷をつけることにしました。
傷を付ければ、樹脂の溶けた部分が太くなり、
そこがひっかかってキーが抜けなくなるのです。

幸い、傷を付けた場所は外からは見えません。
すぐできて、コストがかからない、グッドアイデアでした。
私たちは徹夜でこの作業をしました。
そして翌朝、作業完了の報告をお客様の部長にしました。

すると、部長は次のように言いました。
「いくらキーの抜けを防止するからといえ、
わが社の商品に傷を付けるのは許せない!」

つまり、抜けるキーに傷を付ける対策は
上記1「実現可能性」、2「経済性」、3「即効性」はクリアしたが、
4「納得性」をクリアできなかったのです。

結局この時は、お客様に納期を遅らせていただき、
正規部品で交換しました。
私は新しい部品の到着をホテルで寝て待ち、
翌日も徹夜で、キーボードのキーの交換をやりました。

評価基準の1~4はすべて均等に並んでいるのではなく、
人や会社によってそのウエイトは異なる、ということです。

今思えば、このときのお客様は、3「即効性」を犠牲にして
4「納得性」を守ったわけですが、
『傷を付けない』がお客様の矜持であれば、当然でした。

部下に「どうしたらいいのかな?」のアイデアを求めるときは、
自分の対策案評価基準を事前に持っておきましょう。
そして、アイデアが出尽くしたらその基準を見せて、
部下自身に絞り込ませましょう。

が、数案に絞り込んだら、そこで決めるのはマネージャの仕事です。
「いい案がないからやり直し!」を命じるのもマネージャの仕事です。
そのときは、なぜその案にしたのか、きちんと伝えましょう。
廃案の場合も同様です。なぜダメなのかも伝えましょう。

上司の評価基準を知ることは上の目線に立つのと同じ経験です。
私がブラザー工業時代のお客様から学んだように、
きっと、あなたの部下もあなたの評価基準から多くを学ぶでしょう。

 

V字研メルマガ vol.74 「自主性を生み出す現場マネージャの5つの仕事」

「自主性を生み出す現場マネージャの5つの仕事」

連休はゆっくりお休みになれましたか?
「休んだら仕事だ!」は、昔の上司の口癖でした。
今日はそんな気合の入ったマネージャのための
大事な仕事の話を紹介します。

先日、私のクライアントで、
1月~4月までの活動の成果発表会がありました。
同社には複数の営業支店があるのですが、
自店の活動を振り返ったあるマネージャが
次のような発表をしました。

「うちの支店の弱点は、『お試し利用』の後に
決められないことなので、今後はそれを克服したい」。

私はその言葉を聞いて、「いいね!」と思いました。
というのも、結果がでない問題点を見つけるのは
最も重要な「マネージャの仕事」だからです。

なかなか結果の出ない営業支店の場合、
社長や部長が「何やっているんだ!」と追及します。
このとき、結果が出ない原因が何なのか
そこをマネージャがわかっていないとどうなるでしょう?

「皆、一生懸命やっているのですが…」
「ライバル会社に出遅れてしまいまして…」
などできない言い訳ばかりが先行します。
中には、「部下が動かなくて…」と嘆くマネージャもいます。

原因が見えていない人は、
ついつい他人や世の中に責任転嫁するのです。
この姿勢は、原因が分かっているマネージャが
「この弱点を克服すればいい。そのことに全力を上げよう」と
自店の課題と向き合うのとは対照的です。

ですから、マネージャは常に「なぜなのだろう?」と
自問自答し、その答えを見つける人でなければいけません。
成果が出ない時はもちろんですが、好調なときも
「なぜ、今期は良かったのだろう?」を考え続けるのです。

そして、原因に思い当たったら、次は対策です。
「では、どうしたらいいのだろう?」

私は、この問の答えをマネージャだけが考えるのは
危険だと思っています。
なぜなら、有名な『踊る大捜査線』の青島刑事が言うように、
事件は現場で起きているからです。

マネージャ以上に現場を知っている人こそ、
より多くのヒントを持っています。
よって、現場の担当者全員で
グループ討議をしながら考えるべき問なのです。

つまり、「なぜ?」はマネージャが考える。
そして、原因を見つけたら「どうしたら?」を部下に考えさせる。
その2つの問を使い分けることこそが
マネージャの重要仕事なのです。

余談になりますが、東日本大震災当時の菅直人首相は
これを混同してしまったのだと思います。
彼は専門家でもないのに「どうしたら」の解を見つけるために、
現場に行き、事態を一層混乱させてしまいました。

それよりは本部にいて、「なぜ爆発が起きたのか?」
「次に想定されるリスクは何か?」の情報収集に当たり、
それらを把握した上で、東電社員や専門家に
「どうすればいいのか?」を問うべきでした。

非常事態に気が動転していたのはわかりますが、
会議ファシリテーション普及協会の釘山健一先生は
「非常事態こそ、ゆっくり考え、ゆっくり歩き、
ゆっくり話すことが問題解決の秘訣」と語っています。
マネージャは、常にそうあるべきなのです。

さて、「どうしたら?」に対して何らかの対策が見つかったら、
次は「即実行!」です。
思考はゆっくりでも、行動は超高速で!
やってみて、上手くいけば皆でそれを喜べばいいし、
いかなければやり方を変えれば良いのです。

その実践過程では、現場の担当者に対し声がけをし、
潜在的に抱いている不安や不満を取り除きます。
このメルマガ61号に書いた、相談したくてもできない
「従業員未満足」状態を解消するのです。

こうして築いたやり方をメソッド化し成果発表会で伝えば、
全社に普及することができます。
それにより、皆ができるようになります。

以上から「自主性を生み出す現場のマネージャに5つの仕事」とは
1)「なぜ?」を考える
2)「どうしたら?」を部下に問う
3)即実行
4)声がけ
5)やり方のメソッド化
となります。

いかがでしょうか?
良いと思った方法は即実践しましょう!

 

V字研メルマガ vol.73 「創業者の夢からぶれない会社」

「創業者の夢からぶれない会社」

街を歩くと毎日就活中の若者の姿を見かけます。
その姿に自分の就活時代を思い出すのですが、
皆さんにはどんな就活の思い出がありますか?

私は今年で就活30周年です(笑)。
企業の寿命は30年と言われますが
30年前と企業の姿はずいぶん変わりました。
都銀も百貨店も商社も家電メーカーも、
合併や統廃合で激減しました。

そんな中、この会社だけは変わっていないな~
と感心する企業がありました。本田技研工業株式会社です。
先ごろ、小型飛行機「HONDA JET」が
日本で初めて披露されました。

そのデザインを見て、私は驚きました。
何より、美しい!
自動車ではデザインは常に欧州車に適いませんが、
小型ジェット機は違います。段違いでかっこいい!

そして、この飛行機への取組みこそが同社のぶれない象徴なのです。
といいますのも、私が85年の就活時に本田技研工業を受けた時のこと。
私は面接官に次のように提案しました。

「ホンダはブランドイメージがいい。
ソニーは銀座でソニープラザを営業している。
ホンダも青山でホンダプラザをやるべきでは?」

85年当時、ホンダは国内3位の自動車メーカーでした。
当時のホンダはまだ二輪のイメージが強い会社でした。
数年前にCITYを発売して若者に支持を得たばかり。
そして東京の青山にツインビルが完成した直後でした。
だから、もっと若者の四輪支持層を得るための
マーケティングが必要では?と私なりに考えたのです。

すると面接官は以下のように答えました。
「私たちはエンジンで動くものしか作らないのだ」

私はビックリして問い返しました。
「なぜ、やらないのですか?」
法規制ではなく、自主的に事業領域を限定している
大企業を私は他に知りませんでした。
企業は、多角化するのが当たり前だと思っていたのです。

その回答は、
「うちは創業者がエンジンを創るために創った会社だから」でした。
そして「だから、トラクターとかヘリコプターもやっているんだ」。
(記憶が曖昧ですが、この会話に
ホンダはヘリもやっているがあったような気がします)

それを聞いて、当時の私は
「なんて狭い了見の会社なんだ…」と思いました。
創業者が何といおうが、昔の話。
そんなの時代に合わせて、変えるべきじゃないかと。

自説に固執した私はそのまま主張しました。
すると、面接の最後に次のように言われました。
「君みたいな人は、うちの会社には要らないから」。

「ああ、落ちたなあこりゃ…」と思ってそれから暫くの間、
実家に帰省し、名古屋で就活していました。
すると、ある日実家の方にホンダの人から電話がありました。
それは役員面接に来てほしい、という内容でした。

私はビックリしました。
同時に、創業者の方針を否定する人間でも会ってみようと考えたり、
一度「要らないよ」と言った学生にもう一度コンタクトをとる同社に
「なんて器の大きな会社なんだ…」と驚きました。
私の中でホンダの評価が狭量の会社から
大器量の会社に180度変わりました。

ただその面接の日が最終的に就職したブラザー工業の
面接と重なったのでホンダの受験は見送りました。

あれから、30年。
ホンダはエンジンを載せて空を飛ぶ夢をずっと追っていたのですね。
以下の映像の中で、その夢が本田宗一郎の幼少期の頃からの
夢であったことや、その夢の実現のために車での成功体験を
応用したことが紹介されています。

ベンチャースピリッツを失わない企業が
蓄積を生かしながら長年の夢を叶えるのは
とても嬉しい気持ちになります。

「〇〇以外はやらない」や「〇〇しかやらない」など
ぶれない軸を大事にし、全社員に浸透させてきたからこそ
生まれたHONDA JET、
ますます応援していきたいと思います。

 

V字研メルマガ vol.72 「ガラケー生産中止と『もくもくの成長法則』」

「ガラケー生産中止と『もくもくの成長法則』」

突然ですが、あなたはスマホをお使いですか?
それともガラケー使用者ですか?

今朝の日経Webに「17年以降、従来の携帯電話の生産終了」
の記事が載っていました。

私は、データ通信はスマホですが、音声通信はガラケー愛用者です。
バッテリーの関係でそのように使い分けているのですが、
早晩こんな使い方もできなくなるのかと思うと残念です。

そこで今回は、ガラケー自体がどのように進化してきたのか
振り返ってみたいと思います。

私は事業の進化を考えるとき、独特の見方をしています。
日本で最も成功した農業パークと言われる
「伊賀の里もくもく手作りファーム」の常務に
教えていただいた3段階の成長法則です。

常務は、レストランには3種類あるといいました。
第一段階は「胃」で食べるレストラン。
「おなかがすいたから何か食べたい」ときのレストランで
お客様は空腹を「充足」することができます。

第二段階は「舌」で食べるレストラン。
「美味しいものを味わいたい」ときのレストランで
お客様は自分の生活を「向上」させることができます。

第三段階は「脳」で食べるレストラン。
食材や料理、接客等へのこだわりを理解しながら
知的にも文化的にも健康的にも豊かになるレストランで、
お客様や地域の「価値創造」に貢献しています。

そして常務は、「レストランは『充足→向上→価値創造』の順で
成長していく」と言います。
名駅や栄にある「モクモク直営農業レストラン」は
いつ行っても行列ができていますが、
第三段階の「価値創造」を大切にしているからでしょう。

これを私は「もくもくの成長法則」と勝手に命名しています。
というのも、レストランに限らずあらゆる事業はこの
「充足→向上→価値創造」で成長しているように思うからです。

ガラケーの場合も、当初は「充足」目的で普及しました。
いつでもどこでも音声通話できることへのニーズは強く、
一気に普及しました。

次に、携帯を使ったデータ通信が始まりました。
『i-mode革命』などともいわれましたが、
携帯から仕事や生活のレベルを上げる
様々な情報をとることができるようになりました。

とりわけ、「何時に○駅に行くには、何時に出ればよいか?」に
瞬時に応えてくれる機能や、携帯を通して新幹線のチケットを
予約できる機能は、私にとっては大変便利なものでした。
おかげで私の仕事の生産性は大変「向上」しました。

待ち受け画面や着メロなどで自分の携帯を
個性的にすることもできました。これも「向上」ですね。

このように私たちの生活に
「充足」と「向上」をもたらしたガラケーですが、
残念ながら「価値創造」にまで至りませんでした。
「価値創造」を担ったのは、スマホです。

スマホは、細切れ時間を有効な時間に変えてくれました。
「ゲームをする」「調べる」「動画を見る」「漫画を読む」
「新聞を読む」「音楽を聴く」「写真を撮る」
「友達と話す」「注文する」「予約する」「発信する」…

ガラケーは「充足」においてはスマホ以上のものを
持っていると思います。
が、「向上」や「価値創造力」ではスマホには及びません。
よって市場での役目が終わり、退場するのでしょう。

私は、仕事柄多くの新規ビジネス案に出会います。
が、企画者の99%までは、「充足」までしか考えていません。
「充足」されたら次にどんな「向上」を提供するのか、
またその先にどんな「価値創造」をするのか
見えていない人がほとんどです。

そんなとき、私は価値創造まで企画者に
空想するように求めます。
それは、「誰の、何のためにその事業をやるのか」という
使命(ミッション)を考える行為と同じであり、
それが見えると「ぶれない軸」ができるからです。

もしあなたの会社で、今、新規ビジネスの構想が進んでいるのなら
是非、そのビジネス案が何を「充足」し、
それが満たされたら、ユーザーの何が「向上」し、
社会にどんな「新しい価値が生まれる」の考えてみましょう。
そこにワクワクできたら、そのプランはきっと成功するでしょう。

 

V字研メルマガ vol.71 「若手社員がブランド力を高める」

「若手社員がブランド力を高める」

皆さんの会社には今年新卒社員が入社しましたか?
そして、皆さんの近くに配属されましたでしょう?

近年は、新卒者の教育に力を入れる会社が随分増えています。
私にも、今年は2社から新人研修講師の要請がありました。
実はこれまで新人研修の講師などやったことがありません。
そのための商品化もPRもしたこともありません。

それなのになぜオファーが来るのか?
それは、従来の新人研修に比べて要求事項が
格段にハイレベルになってきているからです。

背景には団塊世代の後を埋める即戦力が欲しいとか、
グローバル人財が欲しいなど様々な要因があります。
が、表題の様な「若手社員が企業のブランド力を高める」ことも
ひとつの要因となっています。

では、「若手社員がブランド力を高める」とはどういうことでしょうか?
例えば、私が「従業員が主体性を発揮している会社を観てみたい」と
希望するクライアントを、よく岐阜市にあるT社にお連れします。

T社は、こうした見学をとても歓迎してくれます。
見学に行くと、まず会議室に通されて
社長や専務から同社の説明を受けます。
このとき机の上には資料が美しく、きれいに並べられています。
さらにそこには見学者ひとり一人に宛てた、
グリーティングカードが置かれています。
さらに見学者の名前入りのペットボトルも置いてあります。

誰がこのような準備をしているのかと言えば、
それは同社の若手社員のグループです。
彼らが、見学者に楽しんでもらうにはどうしたらよいのかを、
それこそ東京ディズニーリゾートの社員並みに考えて、
準備してくれるのです。

工場の見学時には、社員が各加工場の説明をしてくれます。
このとき説明を担当してくれるのは若手社員です。
自工程の内容と、昨今改善した個所について丁寧に
わかりやすく、そして堂々と説明してくれます。

見学した経営者の皆さんは、この説明力に驚きます。
多くの会社では、工場見学の説明者は
それぞれの加工場の責任者=係長以上と相場が決まっています。
それを、入社2年目の20歳の若者がやるのです。
皆さん「すごい!20歳なのに立派だ!」と、一目ぼれ状態です。

若者のこうした仕事ぶりは、
「彼はすごいが、彼をここまで訓練している会社がスゴイ。
若手社員をここまで教育できる会社がスゴイ」という
印象を見た人に残します。
つまり、若手社員が企業のブランド力を高めているのです。

そのため、私の元に届く新入社員研修の
オファーの内容もハイレベルです。
例えば、以下はある小売チェーン店から来たオファーです。

「結果重視の企業姿勢を体感できる研修が良い」
「主体性を発揮する人財育成に繋がる研修が良い」
「より現場に即したプログラムであること」

そこで私は新人同士が配属されたお店の一画を担当として持ち、
その一画の「売上げ目標達成率を競うコンテストをやりましょう」、
と提案しました。期間は約2か月間です。

ただし、新人だけで簡単に売り場はできません。
そこで初期の集合研修には新人と一緒に店長も参加し、
一緒に売り場づくりの計画を策定していただくようにしました。
つまり、店長がメンター役となり、新人をサポートするのです。

そして、できた計画を新人は店内で発表し、
同じ店舗の先輩社員やパートさんの力を借りながら
目標達成に向けて歩んでいきます。

途中、幾度も壁にぶつかると思いますが、その都度
「どうしたらもっと売れるのか?」を考えて
お客様の声を聴き、店の人と何度もミーティングし、
最後には入社後初の達成感を味わっていただく、そんな研修です。

この研修の実行はこれからですが、
こうした経験を経た社員は、上記のT社の社員のように
多くの来店者を感動させ
T社のブランド力向上に貢献するでしょう。

このようなハイレベルな研修が求められている時代です。
新人だからとして甘く見てはいけません。
あなたの隣にいる新人を活かし、企業価値を高めていけるかどうか。
それが、先輩であるあなたに求められているのです。

 

V字研メルマガ vol.70 「値決めこそ経営」

「値決めこそ経営」

今回も大塚家具ネタです。

大塚家具は「おわびセール」と題して、
最大50%OFFのセールを行いました。
どれだけの来場・売上があったかはわかりませんが、
「騒動を逆手に取った見事な商法」などと絶賛している
コンサルタントもいました。

しかし、私は値引き販売する同社を
上記の人のように喝采する気にはなれません。
その理由は以下の3つです。

第一に利益が吹き飛ぶからです。
第二に、常連客を失うからです。

最近は、クーポン券が当たり前に手に入ります。
すると、美容室やエステ、ホテル等では、
常連客よりも、初めてその店を利用する初めて客の方が
単価が安い、ということが起きています。

それを不満に思うのは常連客です。
特に、何度も利用している常連客は、
容赦なく「こんな店、二度と来ません」と去っていきます。
自分に状に特別扱いされる人がいることに耐えられないのです。

第三は営業マンが弱くなるからです。
売るときに安くできるのなら、こんな楽なことはありません。
「今なら30%引きで提供できます」
「思い切って半額にしちゃいます」
なんていえば、誰でも売ることができます。

すると、努力しない営業マンが増えてしまうのです。
とりわけ家具の場合は、商品を売る力より、
お客様の理想の住まい方を聞き、
その上で提案する「目利き力」が何より必要です。

お客が正価を支払うのは、その営業マンが持つ「目利き力」や、
自分の潜在的なニーズを引き出してくれた
「おもてなし力」に感謝をし、それを認めたからです。

だから、値引き販売を禁止している会社の営業マンは、
必死で勉強します。

例えば、経営品質賞受賞企業として有名な、高知県の
ネッツトヨタ南国では、「他社より価格が5%高くても
『買いたい』と言われる会社」を目指しています。

どこに行っても売っている車は同じです。
ですから値引き要求は自動車ディーラーの宿命です。
が、同社はそれを目利き力やサービス力で克服できると信じています。

そして個々の営業マンやサービスマンの
接客力や商品知識を磨き、CSを上げるための改善策を皆で考え、
日々実践しています。その結果、客数を増やし続けています。

営業指導で有名なコンサルタントの箱田忠昭さんは、
差別化の優先順位について次のように語っています。

「営業マンは何よりも『商品』で差別化せよ
商品で差がつかない時は『サービス』で差をつけよ
サービスで差がつかない時は『諸条件』で差をつけよ
諸条件で差がつかない時は『担当者』で差をつけよ
担当者で差がつかない時は『価格』を下げよ」

この優先順位をそのまま解釈すると、
価格を下げるのは、あらゆる差別化が不能で、
なおかつお客様から
「あなたが担当では私は不満だ。
だからその分値段を下げてくれ」
と言われたのと同じ屈辱となります。

私は若い頃にこの箱田先生の教えを知って以来、
営業マンには価格以外の4つのいずれかで
差別化するよう指導してきました。
上記のような屈辱を味わってほしくないからです。

安易な値引き販売は、一時的顧客が増える施策です。
が、薬に例えれば一時的な痛みを忘れるモルヒネの様なもの。
何度も打てば利き目はなくなり、体力の低下を招きます。

今回の大塚家具の値引き販売が
同社復活の契機となるのか、
それとも弱体化の引き金となるのか
ウオッチしていきたいと思います。

 

V字研メルマガ vol.69 「どっちが正しい?大塚家具の親子戦争」

「どっちが正しい?大塚家具の親子戦争」

前回、大塚家具のことを書きました。
そしたら、その日に出会った2人も経営者から
まったく同じ質問をされました。

「酒井さんは、先代(親父)と社長(娘)、どっちが正しいと思う?」

前回のメルマガは、どっちが正しい、とかではなく、
「企・業・絆」という、企業が取りうる3つの戦略について
皆さんにお伝えしました。

ニトリのような入り易い店を創る「業」を基本戦略とする社長と
来たお客さんを会員にし、寄り添う「絆」を基本戦略とする先代。
その違いをお伝えしたのですが、見方を伝えただけでは、
このメルマガの読者の皆さんには喜んで頂けないみたいです。

そこで今回は、私の見解をお伝えします。
大塚家具は先代の戦略の方が優れていると思います。

理由は3つあります。
第一に大塚家具で買う人は、「寄り添い」を求めているからです。

以前、「ヤナセユーザーはなぜレクサスに切りかえないのか?」と
ヤナセユーザーに尋ねたことがあります。
トヨタ車の方が、まず壊れないからです。

するとその人は「壊れたら、すぐに代車を持ってきてくれます。
代車に乗るのも楽しみなんですよ」と答えました。
壊れるというリスクを、ヤナセは同社ならではの
寄り添い力でカバーしているのです。

大塚家具のファンは、「絆」が命なのです。
そのようなお客様には、店が入りやすさは関係ないでしょう。

第二に、社長の戦略に独自性が感じられないからです。

社長がとろうとしている戦略は、
「ニトリのような」「IKEAのような」というように
他社の名前がついて紹介されている。
もうその時点で、差別化できていない証です。

マスコミが「ニトリのような店…」と書けば書くほど、
読者は本家本元の「ニトリ」が見たくなります。
そして、本家本元の方が優れているんだ、との印象を持ちます。
つまり、本来差別化したい他社の宣伝を
バンバンやってしまっているのです。

スポーツ選手で「松井二世」「イチロー二世」などと
言われた選手は山のようにいます。
しかし、彼らはまず大勢しません。固定のファンも造れません。

そして、本家本元の存在だけが大きくなっていきます。
それと同じことが、家具業界で起きてしまいそうです。

第3は、顧客リストを同社の最大の財産と考えれば、
家具販売の落ち込みをいろんな商材でカバーできるからです。

大塚家具は高級家具を購入した
顧客リストを何万と持っているはずです。
おそらく、そのリストは2000年以降に二世帯住宅を構えた
金満団塊の世代のリストだろうと思います。

その人たちはもう家具は必要ないかもしれません。
ただし、まだまだお金は使うだろうと思います。

彼らに対し、家具のメンテナンスはもちろん、
クルマや、家全体のメンテナンス、
あるいは自分自身の健康や資産のメンテナンス、
家族や友達との関係のメンテナンスなど
メンテナンスを切り口にしたリピート性の高いサービス商材を
各社とアライアンスを組んで提供することは可能なはずです。

「絆」が売りなのですから、
担当者がすべてのメンテナンスの窓口となり、
ユーザー宅にお邪魔してオーナーと茶話して帰る。
そんな総合メンテナンス会社への変身が可能ではないかと思います。

経営は、大きくするばかりが能ではありません。
少ない顧客でも、その顧客に「絆」を施し、
充実したサービスを提供し続ければ選ばれ続ける存在になることは、
老舗の旅館や料亭を見れば明らかです。

大塚家具は富裕層の顧客リストを持った会社なのだから
それを活かしてほしいと思います。

以上が私の意見ですが、皆さんはどう思われましたか?
外れた時は、どうぞ笑ってくださいね!

 
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株式会社 V字経営研究所

株式会社V字経営研究所は、2014年4月に起業した、次世代経営チームの育成を支援するコンサルティング会社です。 「 事業と人財のV字回復するプログラム、あります 」 をスローガンに、企業の最重要課題である増収増益の実現と人財が育つ仕組みづくりを支援します。また、その実践を通じて社長が右腕と頼む次世代経営チームを育てます。次世代経営チームが強くなれば、今日出会ったお客様と、100年後も付き合い続けることができるでしょう。
企業がそのような100年ブランドへと成長することが当社の理想です。

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