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V字研メルマガ vol.58 「吉田松陰の質問力」

大河ドラマの『花燃ゆ』面白いですね!

私は自分が講師の仕事をしているものですから
吉田松陰の仕事ぶりが気になって毎週観ています。
そして、ドラマの中からずいぶん多くのことを学んでいます。

例えば、高杉晋作が松陰のところに来て
「学問がしたい」と言ったときのことです。
松陰はすかさずこう問い返します。
「何のために?」

晋作はいいます。
「わからん」
「わからんが、何か面白そうなにおいがする」

単純ですが、私はとても感心しました。
それは、松陰の質問です。
何かを始めようとする人に
「何のために?」と目的を確認しているのです。

研修の講師を15年以上していますと、様々な受講生に出会います。
その中には、明らかに「何のために」という目的を持った人がいます。
目的の実現のために多くを学ぼうと、とても前向きです。

一方、目的を持たない人もいます。
そのような人の中には、晋作のように
「目的はわからないが、学ぶうちに
やりたいことが見つかるかもしれない」という人がいます。
目的を持った人と同じように前向きで集中力があります。

が、企業内研修の場合は、目的もなく、
晋作のような自分探しの意図もなく
「研修に行くように言われたから来た」という
やらされ感いっぱいの人がいます。

このような人は、自分がなぜ今、ここで学ぶ必要があるのか
わかっていませんから、研修には後ろ向き。
「早く終わらないかな」だけを考えて仕事をしています

たとえるなら、前の二者は心のコップが上向きで
どんどん吸収するのに、後者はコップが下向きなのです。

このような下向き受講生がいると、場の空気が悪くなります。
講師をしていてもちっとも楽しくありません。
そこで、下向き受講生なくす方法はないものか?
講師デビューした頃、必死で考えました。

そして、私は2つの手を打ちました。
第一は、上司による部下への研修前の動機づけです。
なぜなら、部下が持っている潜在的な可能性を拓くことができるのは、
部下に仕事を任せる権限を持った上司の仕事だからです。

そこで、研修前に上司と部下で個別面談をしてもらいました。
その内容は以下の通りです。
(1)受講生は自分がお客様や同僚、上司の三者から
自分は何を期待されているかを、自分で考える
(2)受講生はその期待にどの程度応えられているか自己採点する
(3)同じ採点を上司も行い符合する
(4)差がある場合、なぜその点になったのかをお互いが話合う
(5)より期待に応えるには、受講生の仕事の進め方の
何をどう変えることが必要なのか話し合いの中で認識する
(6)どう変えるべきかのヒントが研修にある。
だから研修で学んできて欲しいと動機づける

このような面談を必ず実施し、
面談シートを事前に提出してもらうことによって、
少なくとも私の研修は前向き受講生が多くなりました。

第二は、私自身が研修の目的とコンテンツを変えました。
下向き受講生は、何を言っても受け入れません。
だったら、受講生が受け身にならざるを得ない
講義中心の研修スタイルはそもそもアウトです。

そこで、研修の目的「教える場」から、
「気付いてもらう場」に変えました。
受講生を、自分から参加せざるを得ない状態に持っていき
「あ、そうなのか!」と気づく機会を創るのです。

私が意識しているのは以下のような流れです。
(1) 理論は語らない
(2) すごい事例を紹介する。あるいは自分の過去の経験を題材に使う
あるいはその場で行ったゲームやロールプレイを材料にする。
(3) 事例や経験、ゲームを通して課題について考える
(4) ディスカッションを増やし、いろんな考え方があることを知る
(5) ディスカッションの中で自分の発言にフィードバックをもらう
(6) このとき理論的な裏付けが必要なら、そこで理論を伝える
(7) その結果、研修終了後に自分のやるべきことが明確になる
(8) 数か月後に、上司も参加する実践結果の発表機会を設ける

こうしてから、私の研修は「楽しい」「面白い」「こんなの初めて」
と言われるようになりました。
また、(8)の成果発表会では泣ける感動体験を何回もしました。

晋作に火を点けたのは
松陰の「君の志は何ですか?」
「志は自分で見つけるしかありません」という言葉です。
そうした火付けを意図的に研修の中に盛り込んだのです。

さて、あなたは、次はどんな研修に参加しますか?
研修は、自分に対する投資です。
それも利回りが何倍にもなるもっとも効率的な投資です。
それも目的があってこそ生きるもの。
是非、目的を明確にして参加するようにしましょう!

 

V字研メルマガ vol.57 「会社を変える発表品質」

「会社を変える発表品質」

年度末を迎え、お忙しい日々を迎えていることと思います。
今年の追い込みとまとめ、来期の準備が重なるこの時期は
非常にストレスフルですよね。

そんな時期に、私のクライアントは
よく成果発表会を行います。
私は半年単位で指導することが多いのですが、
各自が取り組んだ成果を、受講した仲間皆でシェアするのです。

このとき問われるのが、「発表品質」です。
あなたは「発表品質」という言葉を聞いたことはありますか?

発表品質とは、プレゼンテーションの品質のこと。
自分が「何をどのように伝えたいのか」を明らかにし、
それが聴講者に「確実に伝われば」発表品質は高くなります。
逆に伝わらなければ発表品質は低くなります。

私が「発表品質」という品質があるのだと最初に聞いたのは、
2002年にある建設設計会社にセミナー講師でお伺いした時でした。
同社の社長は国交省からの天下り。
つまり、買う側の立場を経験した人でした。

その社長が同社に来て感じたことは、
「うちの社員はプレゼンが下手すぎる」ということ。
社長曰く、「うちの設計者は職人ばかり。
腕は一流だが、『伝え方』というものを学んだことがない。
これでは、いくらいい図面を描いても、コンペに勝てない
土木業界で生き残るには、発表品質を上げるしかない」

危機感を抱いた社長は、大胆な改革に乗り出します。
着手したのは給与制度の改定です。
それまでほぼ年功序列賃金制度だったのを、
基本給と成果給、そして発表能力給の3つに分けました。
そして、発表能力給のウエイトを30%に設定したのです.

しかもその発表能力の判定基準は
小学生レベルから、最高級は大学で教鞭が取れるレベルまで
36段階に分かれるという細かさでした。

つまり、社員にとってはどれだけ伝わりやすい発表するかで
自分の給料の30%もアップダウンするわけです。
月給30万の人ならそのうちの10万が
自分の発表品質次第で増減するということです。

こうなると誰のお尻にも火が付きます。
そして、同社の誰もが短期間でプレゼン上手になっていきました。
「人は評価のために働く」といいますが、
それを痛烈に感じた経験でした。

さて、話を成果発表会に戻します。
ここでの発表品質は、非常に大切です。
なぜなら、誰かの取り組みが同じ会社の仲間に伝わることによって
全社員の動きを変えることができるのではないかと思うからです。

そのため、発表者には3つの準備が必要です。
第1は、伝わりやすい話の構成です。
私は次のように構成するよう、発表者にお願いしています。
1.表題
2.活動趣旨
3.目標と重要指標の検証
4.取組内容
5.特に成果が大きかった取組と苦労した点
6.マネジメント上の工夫
7.活動の振り返り

第2は、特にシェアしたいポイントのメソッド化です。
活動の中からつかんだ仕事の進め方やコツなどを、
「〇〇の法則」や「〇〇サイクル」などネーミングすることによって
とても理解しやすくなり、聞いていた人皆が共有できます。
すると、その後は一気に全社に拡大します。

第3は、発表の練習です。
いくら良い内容でも、小さな字、文字ばかり、
下を向いて一方的な棒読み、時間オーバー…
こうだとプレゼンは聞くのもつらいものになってしまいます。

必ず誰かに聞いてもらう練習をして、
こうした問題を克服してほしいと思います。
成果発表会は、報告会ではありません。
報告会は「私はがんばりました」と幹部に一方的に伝える会です。

対して成果発表会は「一人の体験をみんなの体験に変える会」。
自分の体験を皆の体験に変えるのだから、
臨場感あふれるの伝え方をしないといけないのです。

成果発表会がまだまだ続く企業も多いと思います。
是非、発表者の方は練習して自分の発表品質を高めてください。
そして、「一人の体験をみんなの体験に変える会」にしてくださいね。

 

V字研メルマガ vol.43 「販売する前にお客さまを教育しよう」

新年の最初の一週間、皆様にはどんな日々でしたでしょうか?
私は新年早々驚いたことがあります。

7日、毎年セミナー講師に招いていただいている
岐阜市の高井法博会計事務所の高井所長を訪ねました。
ごく普通の新年のご挨拶です。

すると翌日8日に、早速お礼の手紙が届きました。
余りの丁寧さと速さにビックリしました。
所長の人間力を感じるとともに、
年賀状の返信すらロクにできていない自分が情けなくなりました…
これは、高井所長による生きた教育ですね。

さて今号は前回に引き続き、経営者の年頭所感にみる
V字回復トレンドについて紹介します。
多くの企業で共通していた経営方針が、
「販売前のコンサルと販売後のサービスをしっかり行う」でした。
特に、「販売前のコンサル」を強調している企業が多かったです。

たとえば私のセミナーによく来ていただく工務店の社長さん。
彼は、集客のために現場見学会を開きます。
ここまでは他の工務店と同じですが、ちょっと違う点があります。
その会場で、彼が講師になってセミナーを開くのです。

といっても、来ているのはせいぜい3組程度の家族。
場所もセミナールームではなく、柱がむき出しになった
建てかけの家の中。
まるで江戸時代の寺子屋のような光景です。

セミナーのタイトルは「住宅ローンは借金じゃなかった」。
衝撃的な表現ですが、資金計画の話です。

彼の考えでは、住宅ローンは借金でなくて「保険」です。
もし、家族でアパートに住んでいたら一家の大黒柱である
ご主人に万が一の時、翌月から家賃を払うのが大変になります。

しかし、もし生命保険付の住宅ローンを組んでいたら、違います。
ご主人に万が一のことが起きた時、
ローン残高はすべて保険会社が払ってくれます。
それにより、住宅費の負担がなくなるのです。
ですから、住宅ローンを組んだ方が、
アパート住まいを続けるよりずっと安心だというのです。

セミナーでは、さらに
「どんな家がいいかを考える前に、いくらまでなら返済可能か」を
知る資金計画をしっかり考えましょうと彼は訴えます。

マイホームは幸せの象徴です。
それが返済限度ギリギリまで無理をしてローンを組むと
やがて苦しみの根源に変わってしまうのです。

そんな悲劇を避けるためにまず自分の資金計画を立て、
いくらまでの家なら無理なく返していけるのか見極めましょう。
その後で、どんな家が建てられるのかを検討しましょう。
これが彼の主張です。

このときの彼のトークは絶妙です。
「皆さんは、服を着るとき、パンツを先にはきますか?
ズボンを先にはきますか?」

皆が、「パンツが先」と答えます。
すると彼は、「そうですよね。逆の人はいませんよね。
家を建てる場合にも順番があります。
資金がパンツです。家がズボンです。
逆になると、ほら、こんなにみっともないことになります…」
とズボンの上にパンツをはいた絵を見せます。場内爆笑の嵐です。

こうして彼の工務店が主催する見学会に参加した人は、
資金計画の重要性に目覚めます。
そして、自分の収入に見合った家を建築し、
幸せな毎日を送ることができます。
購入前の教育が、顧客を幸せにしているのです。

お客様の意見を聴くことは大事なことですが、
それを聞くばかりがお客様のためになるとは限りません。
お客様はとかく目先のことばかりにとらわれがちです。
そんなお客様に対し、長期的な展望に立ったものの見方や
考え方を伝えていくのもプロフェッショナルの仕事でしょう。

必要に応じてお客様を教育することや、
間髪入れずにお礼状を送付すること。
それはお客様と末長いWin-Winの関係を築いていく上では
とても大事なことなのです。

 

V字研メルマガ vol.38 想いのバトンを渡す

クリスマスが近づいていますね。
先日『カンブリア宮殿』には東京ディズニーリゾート(TDR)の
運営会社であるオリエンタルランドの特集でした。
クリスマス前に魅力を伝え、来場客を増やす作戦なのでしょう。
この日の放送ならいいよ、と出演交渉したのかもしれません。

TDRは買い物での収益を非常に重視しているのですが、
パーク内での買い物量を増やすためにある工夫をしています。
それは、パスポートの事前販売。
パスポートは大人6,400円。小人4,200円。
家族4人で行くと21,200円です。

これを当日の入り口で支払うと…
「今日は大金をはたいちゃったな…」の感覚が残ります。
すると、ショップでキャラクターグッズやお土産を買うのに
慎重になってしまいます。

ところが事前にパスポートに買っておけば、
その日の「今日は使い過ぎかな…」なんて感覚がなくなる一方で、
「せっかく来たんだから買うぞ~」の感覚が強くなり、
バカバカ買ってしまうわけです。

おまけに入場が容易になれば、パーク内滞在時間が増えます。
すると買い物できる時間が長くなり、飲食や買い物の量が増えます。
それゆえにホテルや電車賃、レストラン予約等とパック化して
入場料を実質的に安く販売しても、十分元が取れるのです。

また、人は自分が両手に持てる量までしか買えないといいます。
その限界を打破するために、園内のショップには、
買い物かごが置いてあります。
スーパー以外の店頭に買い物かごが置かれたのはTDLが最初です。

さて、こうして客単価を上げることに余念がないTDLですが、
創始者ウォルト・ディズニーの発想のきっかけは
愛娘と一緒に出かけた公園のメリーゴーランドでした。

当時の公園は子供向けの汚れた乗り物しかなく、
ウォルトは愛娘を木馬に乗せて、自分はベンチで寝ころび
ピーナッツをほおばりながら、ただ眺めているだけでした。

「大人も子供も一緒に楽しめる場所はないものか?」
そう考えたウォルトは、ある日突然閃きます。
「ないのなら、自分で作ってしまおう!」

こうしてディズニーランドの開発は始まりました。
言ってみればメリーゴーランドは
ディズニーランド発祥のアトラクションなのです。

この99体の木馬はひとつとして同じものはありません。
そのため、倉庫には99体分の全く同じスペアが用意されています。
また、どの木馬もピカピカです。剥げたところがゼロ。
また、木馬を支えている柱は黄金色ですが、こちらもまさに金ピカ状態。

ピカピカなのは、毎晩3人がメンテナンスしているからです。
99体の木馬を磨く人が1人。99本の柱を磨く人が1人。
そして回転する機械を磨く人が1人。
こうした人が手をかけているから、30年経っても古くならないのです。

メリーゴーランドに乗ると酔ってしまう人がいます。
その人たちは、一緒に来た人がメリーゴーランドに乗っている間、
外のベンチに腰掛けボッーと眺めているしかありません。

そこでウォルトは、メリーゴーランドの上の方に
シンデレラのストーリーを展開した絵を描きました。
木馬の回転に合わせて、周り燈籠のように絵が変わります。
待っている人をも楽しませることにまで考えて作っているのです。

こうして維持されたメリーゴーランドは今日も
子供と大人を載せて走ります。
日常では作れない笑顔がここにあります。

と、こうしたストーリーをオリエンタルランドでは
採用したアルバイトの最初の教育時に話します。
そして、「さ、こうしたウォルトの想いのバトンを、
今日、君が受け取るのです!」と動機づけます。

これを聞いたアルバイトたちがワクワクしながら
仕事をするのがおわかりいただけるでしょう。

どんな企業にも、「先達の想い」が詰まった
エピソードやストーリーが必ずあります。
これを想いのバトンとし、渡すことで、
従業員の「しっかりやりたい!」気持ちを引き出すことができます。

あなたの会社の想いのバトンは何でしょうか?
伝統ある会社ほど、そのバトンには一杯の想いがあるでしょう。
ぜひそれを発見して、従業員にプレゼントしてみてはいかがでしょうか?

 

V字研メルマガ vol.37 経営方針の浸透は伝える仕組みが9割

衆議院選挙が終わりましたね。
自民党が圧勝しましたが、ある政党の幹部が、
TVのインタビューで「準備する時間がなかった」と
敗北要因を語っていました。

主張が受け入れられるには、準備が不可欠。
これは経営でも同じだと思います。
社長の方針が現場に受け入れられ、
皆のベクトルが合うことが欠かせません。

そこで多くの会社では、毎年経営方針発表会が行います。
社長が基本方針を語る。次に幹部が部門方針を語る。
それを、全社員が聴く。
ほとんどの会社はこの形式で方針の浸透を図ります。

しかし、壇上で「今年、わが社をこうします!」と熱く語っても、
社員はそれをどこまで共感してくれているかわかりません。
小中学生の頃、始業式での校長先生の話を聴いていなかったように
当事者意識ゼロで参加している社員も少なくないと思います。

が、これは生徒たちが悪いのではありません。
前で話すだけで伝わると思っている校長が悪いのです。
同じく伝わらないのは、社長の側に問題があるのです。

では、社長方針を浸透させるには
どのように準備をしたらよいのでしょうか。
そこで今回は私が20年前に経営計画づくりを指導して以来、
売上4倍、利益40倍、工場の数が5倍に増え、
今も経営方針発表会に関わらせていただいている
中小企業K社のやり方を紹介します。

同社は5月から新しい期に入ります。
5月の第二土曜が毎年の経営方針発表会です。

社長はまず、自分の社長方針を1月に作成します。
このタイミング、社長は毎年私に相談に来ます。
社長の質問は同じです。
「他社では今、どんなことが経営課題ですか?」
世の中のトレンドから、自社の課題を探ろうとしているのです。

こうして得た情報を織り込んで作成したものを
2月に部課長の中間管理職に示します。
そして、それに則った形で部門計画を各部、各課で立案してもらうのです。
この完成が3月です。

それを、4月上旬に幹部と私で精査し、改善点を指示して
全社のレベルを揃えます。
それが5月に発表されます。

このようなプロセスを踏むので中間管理者は
社長方針を自分のものとして理解します。
つまり、「現場に対しきちんと説明が出きる」状態になります。

次に、同社の全社の経営方針発表会は朝から行います。
そして午後からは課単位に分かれてミーティングを行います。
これは、方針を受けて自分たちの課で何をどのようにやるのか、
具体的に確認し合う場です。

一端業務に戻ってしまうと、
午前中に聞いた社長の話などどこかに吹き飛んでしまいます。
そうならないように、この日はパートさんもミーティングに参加し、
ひとり一人が自分の仕事の何が社長方針に応えることになるのか、
納得するまで話し合います。

中には、夕方から経営方針発表会を行い、
社長と幹部が語った後、懇親パーティになる会社もあります。
一緒に楽しむことは素晴らしいことです。
が、酒の勢いで聞いた話を忘れてしまわない工夫が必要です。

そして、6月半ばに振り返りを行います。
計画を立案したら、約10%の時間が経過した時に、
どの程度やられているかをチェックするのです。

1年単位で考えれば、10%経過時は1.2か月後となります。
このとき、いいスタートが切れていればOKです。
が、計画にあるものの手つかずの施策が多数残っていたり、
スタートはできているが、遅れが目立つようならば
早速善後策を考えます。

そうしなければ、計画書は実行できなかったことだらけになり、
ついに見るのも嫌な「幽霊計画」に化けてしまうからです。

逆に、初動が確保できていれば、職場のムードはよくなります。
結果が着いて来れば、「計画に従っていれば今期も大丈夫!」
の確信も強くなるでしょう。

このように
ア)中間管理職の理解力を高める「予告と参加」
イ)現場に浸透させる「全員ミーティング」
ウ)10%経過時の行動量とスピードをチェックする「初動確認」

これらを実践し、かつ最初に何らかの手ごたえある
結果が出れば、社長方針は確実に浸透します。

今回、政党ごとでの争点が見えなかったように、
会社ごとでの戦略の違いが見えにくい時代です。
その違いをしっかり理解させるには、表現力だけは足りません。
「伝え方が9割」という本が売れましたが
経営革新時には「伝え方の仕組みが9割」ですね。

 

V字研メルマガ vol.34 違いを伝えるネーミングを考案しよう

衆院選が告知されました。
既に伝えられている通り、論点が見えにくい選挙です。

主張する側にはそれぞれの特徴があるのでしょうが、
それが選ぶ側に正しく伝わらないのは、
主張する側にとっても選ぶ側にも不幸なことですね。

特に新商品開発の時はそうです。
私も自分が企画した商品の「違い」を伝えようとして
上手く伝えられず、苦労した経験があります。

それは、今から27年前、
ブラザー工業に入社して2年目の私が
ラベルライター「P-touch」を企画担当していた時のことです。

この商品は後にキングジム社にOEMされ、
「TEPRA」と呼ばれ世の中に出ます。
海外ではブラザーの「P-touch」ブランドで展開し、
現在も米国でシェア70%以上を誇っています。

試作機ができたとき、私たち企画担当者は、
市場調査として文具関係の流通業者計13社を訪問、
売れるかどうかの評価を頂きました。
この時はまだブラザーブランドで国内販売するつもりでした。

このとき、私たちは「こんな商品を待っていた!」と、
高く評価されるものだと思っていました。
しかし、返って来たのは思いもよらない言葉でした。

A社
「これさあ…テープに字を打つ機械といっても、
たった一行にしか打てないわけでしょう。
今、一番安いワープロいくらか知っている?3万円だよ。
これだとA4全部に字が打てるよ。
ところがあなたの商品は、たった一行しか打てない。
それで14800円。価格高過ぎだよ」

B社
「たった一行ねえ…
せめてハガキぐらい打てるようにならないかな…
『プリントごっこ』はね、はがきサイズに
あんなにカラフルに絵まで入れられて9800円。
せめてハガキぐらい打てるようにならないとね。
それができないなら1万円切らないと勝負にならないよ」

なんと、A社ではワープロと、B社ではプリントごっこと
比較されたのでした。
そして、「一度に打てる文字量(面積)」「色」「価格」など
ワープロや印刷機を測るときの物差しで差を測られたのです。

結果、「これは売れるよ!」と言っていただけた流通業者は2社のみ。
残る11社からは同様の「ちょっとね…」を突き付けられたのでした。

この調査結果が一因となって、同商品は開発中止となります。
後にキングジムさんからのOEMの依頼で復活しますが、
それがなければ、この企画は世に出ない「失敗作」で終わるところでした。

もし「失敗作」のままで終わったとしたら、原因はどこにあるのか。
当時は流通業者の人を「なんてわからず屋なのだ…」と
恨んだりもしましたが、今ではそうは思いません。
調査を担当した私たち企画者の伝え方に問題があったのだと思います。

私たちは試作機を流通業者に見せるときに次のように言いました。
「小型版のワープロです」
「テープに字を打つ専用のワープロです」
もう、最初から「ワープロ」と言っているのです。
その方が伝わりやすいと思い、引用したのでした。

スポーツ選手のルーキーによく用いる
「松井(秀喜)二世」「韓国のイチロー」のような言い方です。
何かに喩えることで伝わりやすくなると思ったのです。

しかし、これが間違いでした。
ワープロの亜流という先入観で見られてしまい、
本家のワープロと比較され、
「あれが足りない、これが足りない」と差ばかりが強調されました。
そして、一番肝心なP-touchが何者かが伝わりませんでした。

このとき、ワープロの一種ではなく、
識別記号(ラベル)を作成する「ラベルライター」という
新カテゴリーの商品として用途提案も同時に行って伝えていたら、
流通業者の方の見方が変わったのではないかと思います。
なぜなら、私たちはラベルライターが作りたかったからです。

同じことはコンビニとスーパーの違いでも言えます。
コンビニは、スーパーのミニ版とは言いません。
『コンビニ』という独自のカテゴリーネームで呼ばれています。
だからこそ伝わるし、違うからこそ似ているスーパーとの違いを
増々ハッキリさせる努力をしています。これこそ理想の姿です。

今回の選挙報道を見るたびに、政治家に言いたくなります。
「差を語らず違いを創りましょう。
そして、違いを伝えるネーミングして大きく育てましょう。
伝え方が9割です」

 

V字研メルマガ vol.33 思いを伝える発言の3段階

23日、大相撲で歴史に残る大記録が生まれました。
横綱白鵬が32回目の優勝を果たしたのです。

その白鵬が、表彰式の途中、インタビューに応えました。
その回答の構成が、スピーチする人にはとても参考になると
思ったので下記に紹介します。

-32回目の優勝です。
「そうですね…偉大な記録に並ぶことができて、
約束と恩返しができた。そういう言葉です」

-どんなことが浮かびますか。
「天皇賜杯を32回…大記録は、場所前から思っていました。
皆さんに知ってもらいたいのは、
15年前に(体重)62キロの少年がここまで来られるとは
だれも想像できなかったと思います」

(場内から大拍手。白鵬は続けて)
「この国の魂と相撲の神様が認めてくれたお陰で、
この結果があると思います」

 -伝統文化をどのように受け継いでいきますか。
「この優勝に恥じないように、今後も一生懸命頑張ります」

ビジネスの世界でも、誰かに思いを伝えたい、
分かってもらいたいと思うシーンは何度もあります。
そのときの思いの伝え方の基本構成が、
このインビューから学ぶことができます。

思いを伝えるときの構成は次の3つから成り立ちます。
【1】現在の思い(自分は何をどう感じているのか)
【2】元々どうだったか(なぜはじめたのか、最初はどうだったか)
【3】今後、目指すところ(今後は何を実現したいのか)

白鵬のインタビューにはこの3つが含まれています。
そして、順番もこの通りです。

私は、しばしば社長や組織トップの演説を起草することがあります。
「俺たちがやるぞ!」のモードチェンジを促すためです。
このとき、【思いを伝える発言の3段階】を意図して使います。

たとえば以下は、某社のK支店が業績V字回復に挑む
キックオフ時の支店長の演説です。

【1】現在の思い
「今日から『(プロジェクト名)』が始まります。
これは、5か月後に全社3位入賞を達成しようとするものです。
どうですか皆さん?できると思いますか?

実は、私も最初は随分高く、難しい目標だなと思います。
しかし、実はどうしても実現したい理由があります。
当社は今、本部に何と言われているか知っていますか?
『K支店は不要』です…
私にとって、こんな悔しいことはありません。

【2】元々どうだったか
元々この事業を始めたきっかけは、
『ITリテラシーの低いお客様を孤独にしてはいけない!』の
想いがあったからです。
皆さんはそれを意気に感じ、大変な毎日を、ただひたすら
お客様のお役に立ちたい一心で乗り切ってくれました。
そして、会社を成長させてくれました。
今日あるのは偏に、皆さんのおかげです
ありがとうございます。そのことに、本当に感謝しています。

にもかかわらず、この1年間、なかなか結果がでていません。
それは皆のスキルに問題があるわけではありません。
皆さんは他支店の人と比べても何ら見劣りするわけではありません。
ボトルネックに気が付いていなかっただけです。
そして、そこに気が付いていなかった私に責任があります。

【3】今後、目指すところ
だから、『今度こそ、やり方を変えて結果を出そう!』と
幹部で話し合いました。
どうしたら皆の持っている真の力を引き出せるのか
新しいやり方を皆で考えました。
そして、自分でも驚くほど良いプランができたと思います。

そして、〇月〇日、絶対に目標達成しましょう。
その日まで、結果は後からついてくることを信じ、
やる!と決めたことを最後までやりきりましょう!」

(引用ここまで)

特にV字回復のキックオフでは、
【1】で悔しさを共有することと
【2】で感謝を伝えることと矢印を自分に向けること
【3】で新しさを伝えること
がポイントです。

このK支店は支店長の演説通り目標達成します。
最初の支店長の演説で、「今度の幹部は本気だ」が伝わったからです。

白鵬は、相撲と向き合う姿勢が大変素晴らしい横綱です。
彼と同様に大きな目標の実現を目指す人は、
姿勢だけでなく彼の秘めた思いとその伝え方も参考にしてみましょう。 

 
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株式会社V字経営研究所は、2014年4月に起業した、次世代経営チームの育成を支援するコンサルティング会社です。 「 事業と人財のV字回復するプログラム、あります 」 をスローガンに、企業の最重要課題である増収増益の実現と人財が育つ仕組みづくりを支援します。また、その実践を通じて社長が右腕と頼む次世代経営チームを育てます。次世代経営チームが強くなれば、今日出会ったお客様と、100年後も付き合い続けることができるでしょう。
企業がそのような100年ブランドへと成長することが当社の理想です。

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