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V字研メルマガ vol.2 プレモルは何がプレミアムなのか

先日、名古屋にあるコンビニのココストアに立ち寄ったら、
レジの前に「プレミアムビール飲み比べセット」がドン!
サントリーのプレモル、エビス、アサヒのプレミアムの3本に
ビールグラスがついて763円!

まさにプレミアム戦争ですが、あなたはどれがお好きですか?
いろんな意見があると思うのですが、
私がサントリーのプレモル推しです。

実は、プレモルのマーケティング担当課長に
直接聴いたことがあり、以来ずっとファンなのです。

彼は、誕生から現在までの経緯と苦労を話してくれました。
90年代、サントリーのビールは名前を伏せたテストだと選ばれるのに、
suntory製だと分かると選ばれない、ブランド力ゼロの時代が続きました。

「当社はビールメーカーとして評価されていない…」
それを打開したい同社は、「世界最高峰のビールをつくるぞ!」と、
プレミアムビールへの挑戦を始めます。
コンセプトは「酒を飲む楽しみをつくる」。
丁度、お酒の飲み方が「仕事のため」から「余暇を楽しむため」へ、
大きく変わりつつある時代でした。

チェコ産のファインアロマホップを調達し開発したプレモルですが、
ビールは原材が「麦芽、ホップ、水」のみ。
麦芽もホップも農作物ですから材料の品質は一定ではありません。
が、素材の種類が少ないために、
何かを足したり引いたりして誤魔化すこともきません。

そこでサントリーでは醸造技師が、毎日「味を設計」しています。
設計とは、「人の手をかけながら、ある水準を目指してつくる」こと。
この仕事を、マーケティングの課長は「Art」だと言います。

そして、でき上ったビールは飲食店に運ばれます。
ビールは「コク、香り、泡」でうまさが決まります。
これらをバランスよく引き出し、魅力を伝えるのが、
ビールの美味しい入れ方を研究し技を磨いたその店の「超達人」です。

このような彼の話を聴きながら私がつくづく感心したことがあります。
それは……

彼のビジネスマンとしての姿勢でした。
プレモルに携わる人たちを「リスペクト」していたのです。

課長は「最高峰」「醸造技師」「味の設計」「Art」「超達人」…
などの言葉を、お世辞とか、宣伝目的ではなく幾度となく使いました。
その表現方法に作り手への敬意が伝わってきました。

缶ビールと言えば典型的な量産型の工業製品です。
そのような製品のマーケティングの担当者は、設備の自慢や
無人化の話をしても、そこで働く職人の自慢は滅多にしないもの。

が、スイスの高級時計から時計職人の緻密な技が連想できるように。
F-1のマシンから、ピットに詰めるエンジニアの息遣いが聞こえるように。
プレモルからは「人の手」が加わっている感じが伝わってくるのです。

最高峰市場は、規模の小さな市場です。
よって、大衆狙いのトップ企業より、2位以下のチャレンジャーが
自ら価値創造できる市場だと言われています。

ドラッグストアのスギ薬局は「調剤コーナー」に力を入れて成長しました。
米国のレクサスは、「メンテナンス」時の対応力で高く評価されています。
商品が最高峰を目指すとき、「人の手」は重要なファクターなのでしょう。
私はそれこそが「プレミアムの正体」ではないかと私は思います。

製品はいつか真似されます。
が、ディズニーランドやリッツカールトンの水準に
他社がなかなか追いつけないように、
サービスや職人技を加味して高度化し続けている会社は
敵がいない無敵状態になります。

そこに磨きをかければトップが追随しても負けない。
プレモルには、それこそがチャレンジャーに相応しい
戦略であることを証明して欲しいと思います。

 

『俺のフレンチ』坂本社長に学ぶ「一発屋で終わらない方法」

昨日紹介した「俺のフレンチ・俺のイタリアン」の坂本社長。
このビジネスは一発屋で終わるんじゃないか…
最初にTVで紹介されたのを見たときは、私はそう思っていました。

でも今は、違います。
昨日、個店当たりのデータを示しましたが
このビジネスは定番として長続きするんじゃないかと思っています。

実は私も自分自身が一発屋に終わった経験があります。
11年前の2001年、自分が最初に書いた小冊子ですが、
半年間で4万部も出ました。
ビジネス書でこの発行部数はかなりもので、
その年の講演会は1年で158回!一躍人気者になりました。

しかし情けないことに、私は10年経った今でも
その部数を超える本が書けていません。
このままだと自分が一発屋で終わってしまうのは
…という恐怖を感じることがあります。

それを乗り超えるヒントが、「俺のフレンチ・俺のイタリアン」の
坂本社長の話の中にありました。

そのヒントとは…当たり前のことですが、
ユーザーが求めていることにきちんと応え続けることです。

「俺のフレンチ・俺のイタリアン」のユーザーはアラフォーです。
アラフォーの人たちの年収はどうかというと…
30歳代後半男性…H11年492万円。H22年432万円 ▲12%
40歳代前半男性…H11年634万円。H22年577万円 ▲9%
30歳代前半女性…H11年312万円。H22年299万円 ▲4%
40歳代前半女性…H11年282万円。H22年286万円 +1%

この10年間で男女ともこの世代の年収は横ばいか減少です。
特に男性の落ち込み方は10%前後です。
この数字を見ていると先輩はあんなに貰っていたのに、
自分はちっとももらえない。そんな不満が聞こえてきそうです。

そんな彼らも美味しいものは食べたいし、美味しいものは飲みたい。
だから、ネットを駆使してどの店のどの料理ならコスパが高いかを研究します。
行列のできる店でも、何時頃に行けば入れる…など散々研究しています。

が、問題は先立つものがないことです。
彼らは毎日のようにコンビニ弁当を食べています。
しかし、コンビニ弁当は会話をつくりません。
スマホを見ながら、ただ黙々と食べるのみです。

その点、「俺のフレンチ・俺のイタリアン」は客単価3000円の設定。
これなら財布の中身はそれほど痛みません。
場所は銀座です。夜にそれ以下の料理を出すレストランはまずないでしょう。

また、30代も後半ともなると、部下を何人か持つ人もいます。
部下たちともう少し、本音で話がしたい。
そう思ったとき、部下が男性なら「今から飲みに行くか?」と簡単に誘えます。

が、キャリア志向の女性の部下は、そうはいきません。
「私そういうの、嫌いですから」と跳ねられるリスクがありますし、
変に勘違いされて「こんな店に連れてきて私を口説くつもり?」と
捉えられてもてしまうのも嫌なものです。

ところが、そんなアラフォー女でも立ち飲みは誘いやすいのです。
口説くにはあまりにもシチュエーションが相応しくありません。
勘違いされることはまずないでしょう。おまけに大変に賑やか。
テーブルを挟んで向き合うよりずっと会話が弾むでしょう。

こんなアラフォーが集う場所として坂本社長が目をつけたのが銀座8丁目でした。
同社は8丁目だけで通算7店舗出すというドミナント戦略をとっています。
大胆だと思いますが、理に適っていると思います。

高級店に入りたくても入れない人や、
職場の仲間と仕事帰りにちょっと軽くやっていこうか?
と思う人が大勢いる街だから「俺のフレンチ・俺のイタリアン」は、
一流を見極める目が日本一厳しい銀座8丁目で成功できたのでしょう。

結局、一発屋で終わる人とヒット連発できる人との違いは、
自分の客層が抱えている不満や悩みを理解し、
その解消をお手伝いし続けられるか次第です。

客層を変えたり、客の動向から目を切ったりすると、
ニーズは途端に見えなくなります。そうすると二の矢が出ず、
一発屋で終わってしまうのです。
坂本社長は「良いものをリーゾナブルに出せば爆発する」と語っていますが、
自分の客層をしっかり捉え、実践してみたいと思います。

 

これで見れば新事業の芽が見つかる!「坂本流・俺のフレンチめがね」

どうしたら画期的なアイデアは生まれるのでしょう?

有名なところではニュートンの万有引力発見の話があります。
木からりんごが落ちるシーンは多くの人が見ています。
しかし、そこから「リンゴに対して働いている力が、
月や惑星に対しても働いているのではないか」と着想したのはニュートンだけ。

なぜ、ニュートンはそこに気がついたのでしょう?
それはニュートンの中に「テーマ」があったからです。
Wikipediaによれば、ニュートンは王立学会の書記であるロバート・フック氏から
「なぜ惑星の動きは楕円を描くのか?」について、意見を求められていました。

そのような問いについて真剣に考えているときに、
りんごが木から落ちるのを見たので「そうかっ!」と気がついた。
もしそんな「テーマ」が彼の中になかったら、
ほかの人と同じように、そんな光景を見ても何とも思わなかったに違いありません。

「テーマ」をもって観察すればアイデアは生まれる。
このことは私の師匠の土井英司先生から教わったことですが、
先ごろ、自分「テーマ」を持っていたからこそ
画期的な新規企業を見出し、自ら始めた社長の講演を聞く機会がありました。

銀座8丁目に次々と立ち飲みレストランを開業している
俺のフレンチ・俺のイタリアン社長の坂本孝さんです。
坂本社長はブックオフの創始者で、現在72歳。
二度目の創業、そして二度目の上場への挑戦者です。

では、なぜ坂本社長が外食産業、それも立ち飲み屋をはじめたか。
彼は一度キャピタルゲインを得ているので悠々自適な日々を送っていました。
そんなある日、会計士の友人に頼まれてあるレストランの株主になります。

ところが「業績が良い」と聞いていたそのレストランは実は火の車。
誘った会計士は逃亡。坂本さんも逃げたかったのですが、
ブックオフ時代の加盟店からも出資を募っていたため、やめることはできません。
晩節を汚したくない坂本さんは、やむなく事業の建て直しを図ります。

そこで「東京でどんな外食産業なら成功するのか?」を徹底的に探しました。
追い込まれたときに、彼の中に「テーマ」が生まれたのです。

そして、成功する外食産業として2つの可能性が見つかりました。
ひとつはミシュランの5つ星の店。もうひとつが、立ち飲みでした。

立ち飲みで参考になったのは、勝鬨橋の袂にある「かねます」という店。
16時開店で、即満員になります。立ち飲みなのに客単価は5000~6000円。
店主は無愛想で「もてなし」の「も」の字もない。
でも、味は一流。食べログなどの書き込みでも絶賛されています。

腕の良い料理人なら、立ち飲みでも客は来る…という考えで
坂本社長は利益シミュレーションを行いました。
以下は講演会で公然と配布された資料の数字そのままです。

立ち数50人、客単価3000円、1日3回転。この条件ですとひと月当たり
売上1080万円、原価率45%(フード55%、ドリンク35%)で月経常利益117万円。
なんと、経常利益率で10%超えです。
この場合、原価率を83%まで引き上げても利益が出ます。
つまり、もっと良い食材を調達しても利益が出るのです。

ところが座り席にすると、客数が22席で1回転がやっと。
これで客単価を3000円にすると、月売上は158万円止まり。
原価率を削って20%に抑えても月151万円の赤字となります。
原価の引き下げで黒字化を図ろうとしても、
とてもカバーできず赤字から抜け出せないことを意味しています。

坂本社長は「原価率と行列の長さは相関関係にあることを発見した!」
と言っていました。客からしてみればコスパが良いわけですから
「並んでも食べよう」という気になるのは当然です。

そこで俄然立ち飲みに興味をもつのですが、腕の良いシェアが絶対条件です。
そこで坂本社長は人材紹介会社を通して
ミシュランの店に勤めているシェフを採用しました。

採用は容易だったといいます。なぜなら
「欧州で修行して帰ってきても、先輩の下働きばかりで腕が奮えない」
「大半がセントラルキッチンで作られるので、するのは盛りつけだけ」
などの潜在的な不満を抱えている人が多かったのです。

「1年以内に日本で最高の料理人集団にする」
「社員を物心両面で幸せにする」「銀座の次はマンハッタンだ」
「シェフのポリシー、人間性が反映された商品を出したい」
などの夢を語ることで、若シェフの心を掴んでいきました。

坂本社長は、小さな流れを見つけて大きな流れにしていく、
まさに「時流化」を実現する仕事をしているのです。

ニュートンと坂本社長の例からもわかるように、
「テーマ」が持った人が観察すれば、アイデアは生まれます。
無理に自分がアイデアを生み出さなくても、観察すれば見つかるのです。

私はこの観察の仕方を「俺のフレンチめがね」と名づけました。
坂本社長の目になりきって世の中を見れば
まだまだ、穴も隙間も見えるのです。

私のテーマはこのブログの第一回に書いたように
「若いビジネスマンに、会社を変えるヒントを伝えていく」ことです。
そのことを意識しながら、今後も成長する企業、
復活する企業、熱いハートを持った人々を観察を続けていこうと思います。

 
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株式会社 V字経営研究所

株式会社V字経営研究所は、2014年4月に起業した、次世代経営チームの育成を支援するコンサルティング会社です。 「 事業と人財のV字回復するプログラム、あります 」 をスローガンに、企業の最重要課題である増収増益の実現と人財が育つ仕組みづくりを支援します。また、その実践を通じて社長が右腕と頼む次世代経営チームを育てます。次世代経営チームが強くなれば、今日出会ったお客様と、100年後も付き合い続けることができるでしょう。
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