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V字研メルマガ vol.103 「アベノミクス第2ステージと自分を繋げる」

2015年9月29日 / 15時23分

自民党の安倍総裁が再任されましたね。
それにともなって昨日、就任会見が行われました。

それを生で聴きながら前職で部長時代を思い出しました。
当時はコンサルタントの部下が15人ほどいましたが、
彼らに「政府の『3本の矢』を読んで、この方針の実現もために
自分がお役に立てることを考えるように」と指示を出しました。

国の方針と自分の仕事を関連付けて考える。
すると、そこには必ずビジネスチャンスがあります。
そして、そのチャンスは拡大します。
助成金とか補助金とか、支援策が多数出るからです。

こうしたトレンドにいち早く乗ることは
コンサルタントには欠かせないことです。
なぜなら、コンサルタントは実務家のアドバイザーであり、
つねに半歩先からクライアントを導いていく立場だからです。

今回の方針は、キーワードを並べると以下のようになります。
「1億総活躍社会」を目指す
「新三本の矢」
1.国内総生産(GDP)600兆円の達成
2.子育て支援拡充
3.社会保障改革

いかがでしょう?
あなたに関連する分野では、どんなことが増えそうですか?

GDP600兆円は現行の490兆円に対し20%ものアップです。
話が大きすぎて自分との関連が見えない、
という方もいると思います。
私もそんな一人ですが、以下のように考えてみました。

特に私が惹かれた言葉は
「一億総活躍」の「活躍」という言葉です。
なぜなら、「社員が輝く会社づくりのお手伝い」こそが
当社のミッションだからです。

従業員が「活躍」するためには3つのことが絶対に必要です。
第一は、あなたが必要なんだ!と訴える「ミッション」。
第二は、活躍するための「スキル」。
第三が、活躍するための「舞台」。

このうち、「ミッション」はほとんどの会社が持っています。
そして、多くの従業員はそこに共感して働いています。
また、「スキル」に関しても、多くの会社が
業務スキルの習得の研修体系を整備しています。

問題は第三の「舞台」です。
私は、この「舞台」が足りない会社が多いと感じています。

舞台とは、例えば以下のような機会です。
・部門、世代を超えて会社の未来を考える機会
・会社の未来について、トップと直接語り合う機会
・新規事業を創案し、それに取り組める機会
・売れるか否かわからない商品販売に挑む機会
・社運を賭けたプロジェクトの最前線に立つ機会
・通常業務をもっと楽しくやりがいのあるものに変える機会
・女性の視点で社内の問題を改善する機会

つまり、従業員が
「会社の未来はあなたの双肩にかかっている」と言われ、
本気でそれを受け止めて、本気でそれに挑む機会です。

こうした機会の多くは、部門や世代を超えた
プロジェクト形式で行われます。

この場に参加したメンバーは、思考段階では
上司の命令でなく、純粋に会社のため、
仲間のためを思って考えることを体験します。
そして実行段階ではその影響が広範囲に及ぶことを体験します。
すると「活躍」のために最も重要な「主体性」が育つのです。

ただし、プロジェクトを立ち上げたからには
成功しないといけません。
期待以上の成果を出すからこそ、
「次もやってみよう」という組織の成功体験となり
従業員の活躍の場が拡大し、継続されていくのです。

そこで必要になるのが、
上記のようなプロジェクトで指導役を務めるコンサルタントです。
正しい考え方を伝え、様々な成功事例・失敗事例を紹介し、
各自の想いや気づきを引き出しながら、
プロジェクトを成功へと導いていくのはコンサルタント以外にありません。

コンサルタントはクライアントと、同社の課題を共有しています。
その課題解決のために、社員が主体的に取り組む
プロジェクトを立ち上げ、運営、定着の方法を企画し、提案する。

そんな「場(機会)づくり経営」を進めることが、
私にできる「一億総活躍」時代への貢献だと思います。
その先には「東アジア総活躍」の時代もやってくるでしょう。
そのためにこれから数年は、これを自分のミッションにしていこうと思います。

 

V字研メルマガ vol.102 「自分の職場の『ビュー・ポイント』をつくろう」

2015年9月25日 / 09時24分

いよいよシルバーウィークですね。
秋の行楽シーズンの始まりです。

そこで思い出すのが、「ビュー・ポイント」です。
「ビュー・ポイント」とは思わず写真に撮りたくなる光景のこと。
富士山を写真に撮りたいと思ったことは誰にでもあるでしょう。
秋なら、燃えるような紅葉でしょうか。
ビュー・ポイントは、そんな場所のことを指します。

そこで質問です。
あなたの会社には、思わず撮影したくなる
名所=「ビュー・ポイント」はありますか?

現在、私はクライアント3社で5Sの指導を行っています。
5Sとは、整理・整頓・清潔・清掃・作業規律のことです。
私は5Sの専門家ではありません。
そこで5Sの専門家と一緒になって指導しています。

指導方法は、クライアントにお伺いし、
選抜されたプロジェクトメンバーの皆さんに
5Sの目的の理解と、実施方法を学んでいただきます。

次に、それぞれが現場で5Sを実践します。
その後、皆で現場を定期巡回して採点し、
不十分な所を指摘し、そこを直していくという方法です。

先日、その中の一社を訪問し、
同社の5Sプロジェクトメンバーと共に
現場の定期巡回を行いました。

同社は巨大な機械が並ぶ金属加工です。
プロジェクトスローガンは『見違える5S』。
これまでとは見違えるような、美しい現場にするぞ、
という意気込みが込められています。

プロジェクトが始まっておよそ4か月ですが、
私が見る限り、プロジェクト前に比べて
随分と美しくなっていました。

そこで巡回中にその職場の30代の担当者に
「以前に比べて随分キレイになりましたね」というと、
すかざす次のような答えが返ってきました。

「いいえ、前よりキレイなだけではダメなんです。
今回のタイトルは『見違える5S』なんです。
これじゃ全然そこまで言っていません」。

それをきいて私はとても感心しました。
この担当者の理想は、私の想定より
ずっとずっと高いところにありました。

そして、その物差しで自分の職場を測れば、
確かに前よりは良くなったけれども、
せいぜい5点が20点になった程度。
理想の100点には程遠いというのです。

そこで彼の理想の状態を聞いてみました。
すると、「自分の職場のビュー・ポイント化」だといいます。

5Sが徹底している会社を見学させていただくと、
そのようなビュー・ポイントが多数あります。
それはキレイに整えられた作業現場だけとは限りません。

誰がいつ持ち出したのかがわかる棚の中…
取り出しやすいように工夫された掃除道具置き場…
使いやすさを第一に工夫された作業台…
社員ひとり一人の思いを伝えるボード…
絶対に間違って持っていくことのない傘立て…

事務部門でも
必要なものがキレイに整理された机の中…
現在の業務の進捗が一目でわかる掲示板…
紙ファイルだけでなく電子データの収納場所までわかる書棚…
見て気持ちのよいスケジュールボード…
来た人を歓迎するウエルカムツールの数々…

これらは皆、ビュー・ポイントです。
今回、私が話した担当者は、
かつて自分が見学したことのある職場を100点モデルとし、
それをベンチマークにして自分の作業現場づくりを進めています。

そして、これまでの取り組みに一定の手応えを感じつつも
理想が高いからこそ、課題がたくさん見えてしまい、
どこから何をしたものか、日々戸惑っているのでした。

これは、彼の成長に欠かせない苦しみです。
近年、何かと褒める風潮が大切と言われていますが、
「まだまだっ!」 「自分たちは、もっといけるはずだ!」
と、自己否定しつつ仲間と力を合わせていくことは
褒めることと同じ重要な承認行為なのです。

さて、もう一度質問です。
「あなたの会社のビュー・ポイントはどこでしょうか?」

ないのなら、一緒に創りましょう。
そして、「どうぞ、ここを見てください!」と
胸を張れるあなたの会社のビュー・ポイントを自分たちの手で作りましょう!

 

V字研メルマガ vol.101 「リスクを予見する『小さな窓』を持とう!」

2015年9月19日 / 17時53分

東日本を襲った豪雨の傷跡、恐ろしいですね。
今度は阿蘇山が噴火しました。

改めて、災害を予知することの必要性を感じます。
先日の桜島のように、早めに対応できるといいですね。

ビジネスでも同じです。
差し迫っている危険を予知し、早め早めに手が打てること。
それが、安定した経営を実現する条件です。

では、どうやってそれを予知すればよいのでしょうか?
実は有能な経営者は、危険を予知する
「小さな窓」を持っています。

そこから覗いて見える景色がいつもと変わると
「おかしいなあ…」と事実を確認し、
「やばいな、これは」と感じたら、早速手を打つのです。

例えば、あるソフトハウスメーカーの社長は
主力商品の粗利益率に注目しています。

粗利が下がるということは、
価格を下げないと売れなくなっているということです。

その理由は以下の二つのいずれかです。
第一は、競争相手に商品力で負けていること
第二は、市場が飽和していること

この場合、特に危険なのは第二の理由です。
第一の理由の場合は、
自社商品の魅力を高めていけば乗り切れます。

が、第二の理由の場合は、市場全体が縮小しているので
長期的な凋落は免れません。
もし、第二の理由が原因での粗利率低下だと確認できたら、
早速、新たな事業開発に乗り出す必要があります。

同社長は2005年、それまでの主力事業の粗利益率が
下がっていることに気が付きました。
そして、それが市場飽和によるものだと気づきました。

そのため、即座に新分野開拓に乗り出しました。
会社の新たな柱を作るのです。

市場には幾多もの先行企業がありましたが、
それまで培った技術を活かした独自性ある商品を
約1年半をかけて開発しました。

その結果、市場の一角に食い込み、
市場参入から7年かけてシェアNo.1となりました。
「主力商品の市場飽和」という危機を、
見事乗り切ったのです。

これは、「小さな窓」から社長が
景色を観ていたからこその成功です。
が、経営者が「小さな窓」から見ている景色は、
必ずしも経営指標ばかりとは限りません。

例えば、「社員の士気の低下」。
これなどは数字にはなかなか出て来ないリスクです。

それを見るために日立製作所では、
自社製の鉄道車輌のボルトを、
いつ、誰が、どのくらいの強さを締めたかを
すべてデータに残しています。

今日では、ボルトを締める工具に
締めの強さを測定するセンサが付いていて、
そこからスマホにデータを送ることができるのです。

鉄道が走っている間に、ネジが緩んで
部品が落ちるようなことがあると、一大事です。
このデータを観ていればネジの締め具合がわかり、
事故を未然に防ぐことができるのです。

こうしたネジ一本の緩みを見逃さない経営姿勢は、
海外でも高く評価され、中国製の鉄道に比べて
日本の鉄道が選ばれる理由のひとつになっています。

が、私は同時に、このネジ締めのデータは、
工員の士気を測定するツールになっていると思います。

鉄道車輌メーカーに限らず、ものづくりの現場では
緊張感が低く、チェック体制の甘い工場では、
ネジの締め忘れや緩み等が必ず現れます。

もし、それが多発するようであれば、
作業環境や、リーダーシップのあり方に
原因があると考え、それを見直すのです。
それにより、クレームや事故等のリスクを未然に防ぐのです。

決壊を予測できなかった市長が市民に謝っていましたが、
行政は今後、災害回避のための
「小さな窓」の開発に力を入れるでしょう。

あなたの会社のリスクが見える「小さな窓」は何ですか?
自社がリスクに直面した時のことを振り返ってみましょう。
そして、自社だけの「小さな窓」を見つけましょう。

 

V字研メルマガ vol.100 「現場を動かす伝えるチカラの高め方」

2015年9月15日 / 18時59分

またしても自然の恐ろしさを目の当たりにしました。
茨城県常総市の鬼怒川の水害。
被害に遭われた方の救助と復興をお祈りいたします。

今回の水害は、9日夜には気象庁が「50年に一度の大雨」と発表。
10日未明に「避難勧告」、10日7時45分に「特別警報」、
そして正午過ぎに決壊が起きました。

警告から決壊まで避難する時間は十分あったはずです。
が、現実には逃げ遅れた人が多数いたようです。

「伝えても伝わらない」。
企業経営でもよくある問題が、被災地で起きてしまいました。

では、繰り返し「特別警報」と訴えながらも、
なぜ市民にまで危機意識が伝わらなかったのでしょうか?
報道を見ながら、私なりに原因を考えてみました。

1.「大雨特別警報」の意味が分からない
2.起きることがイメージできない
3.地域リーダー不在

まず1.です。
この警報の意味をあなたは知っていましたか?

Webで調べたところ、以下のような記載でした。
「警報の発表基準をはるかに超える豪雨や大津波等が予想され、
重大な災害の危険性が著しく高まっている場合、
新たに「特別警報」を発表し、最大限の警戒を呼び掛けます。
ただちに命を守る行動をとってください」

運用は、2013年8月30日からです。
2年前にできたばかり。私も全然知りませんでした。
特別との表現に「ただゴトではない」ことはわかりましたが、
何がどう恐ろしいのか恐ろしさがイメージできません。

そのため、逃げるという行動に繋がりません。
行動を促すには、言葉だけでなく「何がどうなるのか」を
具体的に伝える必要があります。

話はそれますが、人に行動を促すときは
言葉だけでなく、具体的なイメージで伝えることが大切です。
そのことを、私はかつて務めていたブラザー工業?の
安井義博社長(当時、現相談役)から教えていただきました。

私が退職の挨拶にお伺いした時、次のような会話をしました。
社長「酒井、お前、辞めて何をやるんや?」
私 「はい、企画屋をやります」
社長「企画屋をやるのか。じゃ、ひとつ忠告しておく」

社長「企画の『かく』とはどんな字を書くか知っているか?」
私 「えがく(画く)、という字ですが…」
社長「そうだろう。だから企画というものは、聞いたら
   そのイメージが映画のシーンのようにビジュアルに、
   映像で浮かぶようなものでないといかんのや」
社長「私のところには、毎日のように企画書が届く、
   しかし、そのほとんどが、ただ書いた『企書く』ばかり。
   企画屋になるなら、目の前にパァ~ッ!と光景が広がる。
   そんな企画書を作れよ」

このとき教えて頂いた「光景が広がる企画書」は
私が最も大切にしていることのひとつになっています。

今回もし、報道等で「東日本大震災のようなことが起きます」と
例示してくれたら、市民はもっと危機感をもって
行動したのではないかと思います。
例示がなかったことが、伝わらなかった第2の要因です。

第3は、アナウンス型の通達の限界です。
会社でも、社長や本部通達の形でいろんな情報が発信されますが、
現場の社員がそれに応じて即座に動くなんてことは稀です。

多くの場合、現場の社員は自分たちの直接のリーダーである
係長や課長が「**してくださいね~」と
声がけに促されて動きます。

自分がよく知っていて、自分もよく知っている人が言うから、
「この人が言うことなら間違いないだろう」と信じるし、
行動しようという気になるのです。

地域でこの役目を果たしているのは、自治会長さんや消防団です。
今回の避難誘導に尽力された人も大勢いたと思います。
が、警報が発令されたのが平日であり、夜間でした。
ご近所一軒一軒に思うように伝えられないのが実情だと思います。

地域のことでも会社の中の問題でも
伝えるべきことが思うように伝わらない原因は、
受け取る側でなく「伝える側」にあります。

まだまだ台風シーズンが続きます。
火山の活動も心配です。
報道を見ながら地域も会社も
もっと「伝える工夫」をする必要があるな、と感じました。

 

V字研メルマガ vol.99 「『おもてなし』に一番必要なこととは?」

2015年9月11日 / 11時45分

前回、このメルマガでは「仕事のリレー力を高める方法」を、
JRでの私の体験談をもとに書かせていただきました。

これを、メルマガの読者でない方にも伝えようと
9月4日夕方にアップしたところ、24人の方にシェアされて、
現在までになんと474件の「いいね!」をいただきました。

これまで私のFacebook投稿で一番「いいね!」が集まったのは
私が退社した時の挨拶の278件です。
それを超大幅に更新する「いいね!」数と
それをもたらした「シェア」の威力に驚いています。

Facebookの良い点の第一は、こうしたメルマガとは違い
写真が掲載できることです。
今回は「みえ遅れ他経路乗車許可」と書かれた
切符の写真を掲載しました。
https://www.facebook.com/okuribant?fref=photo

良い点の第二は、手軽に感想の書き込みができ、
それをPCのみならずスマホを通して誰もが見られることです。
書き込みも24件もいただきました。以下はその主な感想です。

・見栄ではなく、おもてなしの心ですよね♪
・かっこいい(^^)(^^)JRリレーチーム(^^)
・今日の朝から良い話を聞かせていただき張り切って仕事出来ました!

・非常に感動しました!新聞に投稿してもいいのではと思うくらいです。
・顧客第一という認識が現場まで、
 しっかりと寝付いている素晴らしい実例と思いました。
 実はこの会社、私の管轄の部で大事なお客様です。
 素晴らしいお話しをお伺い出来、誇らしく感じます。

・仕組みとか属人って議論を超えて、素晴らしい!(゜▽゜*)
 まずはひととして、見習います!!
・JRという会社は若手から素晴らしく再生している証ですね。
 トラブルこそチャンス。
・日本素晴らしいです。^ – ^

・涙が出るほど感動しています。
 遅れていいからその体験してみたいです。
 そして、JR東海管内だけでなく西日本、東日本、九州、
 北海道と連繋して拡がっていって欲しいです。

・すご~い☆感動しました♪
 移動して違う部署を渡り歩くのに!
 お客様目線のプロができる技って感じ♪

・素晴らしいですね…おもてなし…という言葉だけが…
 一人歩きしている感じの時もありますが…
 こんな風に、困っている時にこそ!お役にたてるような
 対応を目指したいですね…人任せではなく!
 私もしっかり勉強をしないといけないですね♪
 まだまだ…朝からやる気まんまんになることができました!
 ありがとうございます!

これらの感想を読んでいて感じたことがあります。
それは、今の時代、市民が求めているものが
今回の事例のような、プロ意識に立脚した
さりげない思いやりではないかということです。

特に、今回の事例で私が感心したのは
JRの職員ひとり一人の当事者意識でした。
誰もが「私が会社の代表」として乗客に接してくれました。

他社なら「それは『快速みえ』の問題。うちには関係ない」。
なんて言われそうです。
また、折衝相手が変わるたびに「何が起きたか」を
一から話さなければいけなかったでしょう。

しかし、そんなことは一度もありませんでした。
「『快速みえ』の問題は『私』の問題」だと
東海道新幹線の車掌も、JR東日本の改札担当者も
他人ゴトではなく、自分ゴト考えていたと思います。

彼らの、問題を自分ゴトとして
受け止めて行動する姿勢と、
それを関係者間で繋いでいく連帯感が、
読者の皆さんのモチベーションを
上げたのではないかと思います。

五輪を控え、「おもてなし」力を高めるニーズが
高まっています。が、「おもてなし力」とは、
お客様に膝をついて接待することではありません。

仕事を志ゴトと書く会社もありますが、
おもてなし力の根源は、その仕事を
自分ゴトとして捉えることだと、JR社員たちに教えられました。
彼らの仕事は、まさに大勢を感動させる志ゴトだったのです。

 

V字研メルマガ vol.98 「仕事のリレー力を高める方法」

2015年9月8日 / 14時45分

ちょっと前の話ですが、世界陸上、
日本は今一歩の結果で終わりましたね。

特に残念だったのが、男子100m×4リレー。
北京五輪で銅メダルに輝いたとき同じ場所です。
「夢よ、再び!」との期待空しく、
バトンミスであえなく予選敗退となりました。

どれだけ練習してもミスが起こる。
バトン渡しとはそのくらい難しいもの。
職場の問題も、そのほとんどが
前後工程間の連携ミスに起因しています。

逆にそれがきちんとできれば、感動が生まれる。
今日は私がJRで体験したそんな連携の体験話を紹介します。

9月2日、私は三重県の松阪から長野市まで移動でした。
18:19に「快速みえ」で松阪を立ち、19:30に名古屋に着き、
19:40名古屋発の最終「特急しなの」に乗り換る予定です。

しかし、途中「みえ」が30分遅れ、「しなの」に間に合いません。
「みえ」の車中で遅れの案内を聴いた私は、
スマホで「しなの」以外のルートを探します。
検索されたのは、20:12名古屋発の東海道新幹線で東京に行き、
東京で北陸新幹線に乗り換えるルートオンリーでした。

そこで車掌さんに相談しました。
手元には松阪から名古屋経由で長野まで行く乗車券と、
乗るはずだった「しなの」の特急券があります。

すると、車掌が本部と電話で連絡を取り、
以下のような対応をしてくれました。

・名古屋~長野の「しなの」の特急券は払い戻し
・名古屋~東京~長野の新幹線の特急券は新たに購入
・松阪~長野の乗車券はそのまま使える

「しなの」と新幹線の特急券の差額だけ費用負担増ですが、
2日中に長野入りするにはやむなしと判断しました。
乗車券代だけでも余分に発生しなかったことでOKです。

驚いたのはその後の対応でした。
車掌から「名古屋に着いたら新幹線乗り換え窓口を訪ねてください」と
言われたので、指定された窓口に行きました。

すると担当者が「お伺いしています。このたびは、
大変ご迷惑をおかけしました」とお詫びしてくれます。
そして、実にてきぱきと新幹線の切符を発行してくれました。

切符の一部にはメモ書きが付いていました。
通常の機械では通らないからでしょう。
窓口の担当者は、私が改札を抜けるまで付き添ってくれました。
そして、「これを新幹線内の車掌に見せてください」と言いました。

新幹線に乗ると、こちらから言わなくても
車掌が私の指定席まで来てくれました。
そして、「このたびは、大変ご迷惑をおかけしました」と
謝ってくれます。

名古屋駅でもらったメモ書き付の切符を渡すと、
彼はそれを一端預かりました。
そして、新たなメモ書きがされた切符を持ってきて、
次のように言いました。
「これを東京駅の新幹線の乗り換え改札口で出してください」。

21:53に東京駅に着き、
新幹線の乗り換え改札口でそれを係員に見せました。
すると、今度はその係員が「お伺いしています。このたびは、
大変ご迷惑をおかけしました」とまたまた謝ってくれました。

そして、そのまま改札をスルーし、
22:04発の最終長野行新幹線「あさま」に乗りました。
長野到着は、23:51。
「しなの」利用時の到着予定時刻より2時間近く遅れましたが、
無事に2日の間に到着できました。

長野駅の改札で、メモ書き付の切符を渡しました。
すると改札の担当者が、それを読んで
「このたびは、大変ご迷惑をおかけしました」と謝ってくれました。

松阪を出て約6時間の移動を終えて、私は静かに感動していました。
私は遅れが発生した時に、
「みえ」の車掌に「今日中に長野に入りたいのだけど、
どうしたらいいかな…」と尋ねただけです。
そうしたら、このようなリレーができたのでした。

バトン渡しが上手く行くコツについて
北京五輪銅メダリストで、日本チームの主将だった朝原宜治さんは
「選手同士がお互いを尊敬し合っていること」がと語っています。

遅れた「みえ」がもたらしたトラブルを、連携でカバーできたのは、
JRの社員同士がお互いを認め合い尊敬し合っているからでしょう。
今回、私にかかわった担当者は20代と思しき若手ばかりでしたが、
その風土をとても心地よく感じました。

 

V字研メルマガ vol.97 「高校の文化祭で人生が変わった話」

2015年9月4日 / 17時29分

お盆が過ぎてから随分涼しくなりましたね。

「ナイフで切ったように夏が終わる」というパルコのCMが
ありましたが、まさにそんな感じで夏が終わる感じです。

そして、秋。私の高校生の息子は、学際の準備で大忙しです。
その姿を見ながら、私は高1の学際での出来事を思い出しました。
それは、私の大きな転機となった事件でした。

当時私は、岐阜県屈指の進学校に通っていました。
校風はスパルタ。とにかく生徒に「勉強しろ」と迫る学校です。
先生は、テストの点数の良い者としか口を効いてくれません。

同級生だった学年一番の人は、
「勉強があるから」と公言して、球技大会の日を休みました。
テストで98点取った人は、「1問も間違えてしまった!」と嘆きました。
彼らは揃って現役で東大に行きました。

そんな学校で私は限りなくビリギャルに近い存在でした。
1年の6月のテストでは367人中351番でした。ドベ16位です。
こんな生徒を先生が相手をしてくれるはずもなく、
仲間からも見下されているような気持ちになりました。

そんな私は、1年の文化祭当時、クラス委員をやっていました。
クラスの催し物を決めねばなりません。
が、HR「何かやりたい人、いますか?」と
呼びかけても誰も手を挙げません。
皆、「文化祭なんてどうでもいい」と思っているのです。

沈黙が続く中、私は自分の温めていた案を問うことにしました。
それは「休憩所をつくりませんか?」というものです。

文化祭は、秋の2日間行われます。
皆、友達とつるんでバンド演奏をしたり、映画を観たり、
劇を観たり、お茶したり…好きなところで楽しみます。

ところが、私には大きな不安がありました。
それは、「2日間一緒に過ごす友達がいない」とうことです。
柔道部の仲間は、クラスの仲間と一緒にいるに決まっています。
そのため、私は2日間一人ぼっちで過ごすしかないのです。

一人で映画を観るのは苦ではありません。
苦痛なのは、廊下を歩いているときです。

すれ違う人は、皆複数で談笑して歩いているでしょう。
そんな中を、一人ぼっちですれ違わないといけない。
そのとき、嘲笑されているような孤独を感じる。
それを思うと文化祭の2日間が怖くて仕方ありませんでした。

そこで考えたのが、「ならばいっそ自分の逃げ場を作ろう」でした。
2日間、別に映画も劇もバンドも観なくていい。
しずかにマンガでも読みながら休憩できる場所があればいい。
それが、私の提案した「休憩所」でした。

休憩所を考え付いたとき、一緒にクラス委員をやっていた
K君に相談しました。
人づきあいが不器用な人間で、私同様成績も冴えなかった彼は
「酒井さん、それいい!」と喜んでくれました。
K君も私同様、文化祭当日の孤独を恐れていたのです。

ホームルームでは、全員賛成で「休憩所」が採択されました。
皆が賛成したのは、「労力がかからない」からでした。

準備は「当日、家にあるマンガ本を持ってくる」だけ。
それを教室の真ん中に積んで、「ご自由にお読みください」としておく。
もし暑い日だったら、真ん中に氷柱を立てて涼しくする。
これだけで、休憩所の出来上がりです。

そして、文化祭当日。
私のクラスの休憩所は、大勢の生徒で溢れました。
部屋が満杯となり、2日目は隣の部屋も借りて2倍の広さにしました。
それでも満員御礼となりました。

なんとこの学校には、
私同様友達のいない人たちが大勢いたのです。
彼や彼女が、逃げ場を求めて休憩所にやってきたのでした。

私もK君もずっとここにいて、
マンガ本の整理など一日中やっていました。
二人とも、孤独を味あわずに済んでホッとしていました。
そして、同じような劣等生を救ったことに誇りを感じていました。

この体験から、繁栄の裏には必ず可哀想な人がいる。
その人たちに「逃げ場」を作ってあげると
彼らはとても救われる、ということを学びました。
そして、それを「逃げ場理論」とネーミングしました。

このときの成功体験と「逃げ場理論」は、
私をコンサルタントという職業に導いてくれたように思います。
仕事の大半が、弱者ならではの独自性を探すお手伝いであり、
安心していられる場(安定市場)を作ることだからです。

映画製作をしている息子は今、「準備が大変だ~」と嘆いていますが、
私同様に文化祭を通じで「何か」に気づいてもらえればと思います。

 
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株式会社V字経営研究所は、2014年4月に起業した、次世代経営チームの育成を支援するコンサルティング会社です。 「 事業と人財のV字回復するプログラム、あります 」 をスローガンに、企業の最重要課題である増収増益の実現と人財が育つ仕組みづくりを支援します。また、その実践を通じて社長が右腕と頼む次世代経営チームを育てます。次世代経営チームが強くなれば、今日出会ったお客様と、100年後も付き合い続けることができるでしょう。
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