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V字研メルマガ vol.215「社員が輝くステージをつくろう」

2017年4月28日 / 17時38分

先日、顧問先の経営方針発表会に参加してきました。
東京・恵比寿のウエスティホテルで
社員約450人、来賓20人ほどを集め
実に盛大なパーティでした。

同社は訪問看護サービスを
東京都心部を中心に約30拠点で展開しています。
社員の多くは看護士や理学療法士などの
資格を持った人で、女性比率が高いです。

2時間ほど社長や専務による経営方針発表が続いた後、
立食形式の記念パーティとなりました。
そこにはステージがあり、
最初に永年勤続者の表彰があり、
続いて成績優秀者の表彰、
そして、成績優秀チーム(支店)の表彰と続きました。

表彰された皆さんは誇らしげ、というよりは
どなたも照れくさそうにしていました。
というのも、ステージに上がるときに、
周囲の仲間が受賞者の表彰を
我がことのように喜んでいたからです。

そういう人は日頃から、
自分のことよりも周囲の人のために
気配り、心配りをし、お互いに助け合っているのでしょう。

表彰された人だけが喜んで
後はシレッしている会社は多数あります。
この会社は日頃の社員間の協力度合が
違うのだとこの一事だけでもわかります。

また、チーム(支店)表彰の時は
そのチーム全員がステージに上がりました。
中には感極まって泣き出すリーダーもいて、
このステージに上がることが
彼らのモチベ―ションに繋がっていることがよくわかりました。

モチベ―ションを高めていく方法のひとつが
このような「ステージづくり」です。

そのお手本と呼べる会社が
経営品質賞受賞企業でカンブリア宮殿に出演実績のある
万協製薬(三重県多気郡)です。
同社は化粧品や塗り薬などのOEMメーカーです。
OEMは相手先ブランドの商品を製造する仕事で、
下請け色の強い地味な仕事です。

品質管理、納期管理など大変厳しいモノを要求されます。
完璧にできて当たり前、万にひとつミスがあれば
信用はガタ落ちです。よって社員はコツコツ毎日、
当たり前の水準を上げ続けられる努力を重ねています。

先日、私は私が主催する無敵経営研究会で
同社の工場見学をさせていただいたのですが、
5Sが隅々まで行き届いて感激しました。
よほど気持ちが前向きでないとここまでできないだろう、
というレベルの高さでした。

そこで松浦社長に、そのようなモチベーションは
どこから来ているのかと尋ねたところ、
毎年1日を費やして行っている「成果発表会」が
同社社員のステージになっているということでした。

成果発表会では、会社の経営品質向上活動の取組と
社内成果を発表し、共有しています。
社内従業員満足度アンケートも発表するほか、
ありがとう情報カード賞、
フィロソフィー職場体験談賞、
改善提案賞、年間優秀社員賞、
永年勤続賞等の各種表彰も実施しています。

これらの表彰も雇用形態に関わらず全従業員が表彰対象。
全ての受賞者に報奨金を支給しています。
そして、成果発表会は顧客企業や従業員の
家族を招待するだけでなく、
有料で一般公開(一人2万円)もしています。

家族や外部の人まで呼ぶというのですから、
このステージの大きさがわかります。
上記の訪問看護会社もそうですが、
地味な仕事だからこそ、このようなステージが、
社員のやりがいとなっているのです。

延暦寺の開祖最澄は
「一隅を照らす、是即ち国宝也」と語っています。
隅っこの、目立たないところで地味に
コツコツ日々頑張っている人こそ尊い国の宝だ、
大事にせよという意味です。

私はこの言葉が大好きですが、
国の宝だからこそ会社は
「一隅を照らしている人を照らす必要がある」
のではないでしょうか?
社員が主役と言うのなら、文字通り
社員が主役になれるステージを会社が用意すべきでしょう。

貴方の会社にはどんなステージがありますか?
是非ステージに上がるために、チーム皆が
協力し合う環境が作りに取り組んでみましょう!

 

V字研メルマガ vol.215「はたらいて笑う仕組みの作り方」

2017年4月25日 / 18時42分

「はたらいて、笑おう」。
最近、あちこちで見かける『PARSOL』の広告です。
『PARSOL』はテンプスタッフのブランドです。
https://www.persol-group.co.jp/news/20170322_789/index.html

「はたらいて笑おう」というキャッチフレーズが
今の日本のビジネスマンの心に届くということは、
笑っていない人がそれだけ多い、ということでしょう。

これは残念なことですね。
電通の自殺事件は、エリートでも笑えない象徴でした。
またヤマト運輸のサービス残業事件は、
私たちの身近な人でも笑えていない象徴でした。

いつしかこの国は、
労働環境が笑顔を奪う国に変わってしまったようです。

しかし、職場がそんな辛いところであっていいはずがありません。
職場は人生の多くの時間を費やす場所です。
もっと楽しくて、充実した時間であるべきです。

そのため、私はお客様の「はたらいて笑う」
職場づくりをサポートしています。

笑うには、ネタが必要です。
職場で笑顔のネタを探し、お互いで笑い合う仕組みを作るのです。
これはとても簡単なことです。
なぜなら笑顔のネタは、身近なところに溢れているからです。

例えば以下は、私のクライアントの金融機関の職員が
仕事で感心した仲間の素晴らしい行為を綴ったメモです。

■同僚のためのゴミ箱神対応
「2階でいつもチラシを印刷しているのですが、
カートリッジが一杯になった時に
ゴミを一階まで運ばなければならず
大変だな、と思っていたのですが、先週ゴミ箱が
設置されているのに気が付きました。
ちょっとしたことではありますが、普段から使う者としては
非常にありがたく思い嬉しかったです。
どなたが置いていただいたかわかりませんが感動しました」

■新築成ったお客様への神対応
「住宅ローン実行後のお手続きで来店いただいたお客様に
竣工祈念に新築されたご自宅の完成写真をお渡ししました。
「この方向からの写真は手元になかったんだよね」
「キレイな青空の日に取ってもらって嬉しい」と
喜んでいただきました(青空の日を選んだのは私のこだわり)。
「市の利子補助申請でも完成写真が必要になると思うので
ぜひ使ってください」と伝えると
「もったいなくて使えません」と嬉しいお言葉を頂戴しました」

■お待たせしているお客様への神対応
「お昼過ぎから窓口が忙しくなり、
椅子に座ってお待ちになっている人が何人もいました。
すると支店長がお客様ひとり一人に声をかけ、
お茶を勧めていました。
お客様はお帰りの時は「お茶を有難う」と
ニコニコ笑顔で帰っていかれます。
その姿に、お待ちのお客様には声をかけてあげたり、
手が空いていればお茶を出したりすることも
とても大事なことだと思いました」

このように、お客さまや仲間のための小さな心配りと
そこに気付くことによって生まれる笑顔のネタは、
探せば職場にいくらでもあります。

ところが、その多くが表に出ることなく、
ごく一部の「やる人だけがやる」にとどまり、
全体的な活動になっていません。
これはとても惜しいことです。

そこで、このような行いを集め、全社に伝えます。
すると「自分も自分のお客様にやってみよう」と、
ゴミ箱を設置したり、新築の青空写真を撮ってプレゼントしたり、
お客様の待ち時間にお茶出しをする人が増えるでしょう。
その結果、「はたらいて笑う」人がもっともっと増えるはずです。

実際にこの金融機関では、これらの行為を
静止画と文章で構成したDVDに納め、
全社でシェアする準備を進めています。

やり方としては、まず職員が1人1本、
毎月「あなたが気付いた良い行い」を
自分のことでも仲間のことでも良いので書き本部に提出します。
その中から、全社シェアしたほうが良い作品を
スタッフが選抜し、社内報に載せます。
さらに月間賞を半年に一度DVD化し、全社に届ける仕組みです。

これは浜松の新聞店のアウンズ・ヤナギハラさんが
社内展開している「笑顔をシェアする方法」を
金融機関に応用したものです。

大元のアウンズ・ヤナギハラさんのDVDは
同社にホールページから見ることができます。
http://www.mai-ca.net/about/
笑顔の多い職場を創りたい方は、是非参考にしてください。

 

V字研メルマガ vol.214「どうしたらエゴは捨てられるのか?」

2017年4月25日 / 18時40分

各所で今年度の経営方針発表会が開かれています。
そこでは必ずと言っていいほど経営理念が唱和されます。
各社文言は異なれども、言っていることは同じです。
「利他(りた)の精神で社会に貢献する」です。

利他の精神とは、
「自分のことよりも他人のため、世の中のために」
という意味の仏教用語です。

それを聴いた30代半ばの若手経営コンサルタントから
次のような質問をいただきました。
「私はいつも自分のことばかり考えてしまいます。
どうしたら利他になれるのでしょうか?」

これに対し私は次のように応えました。
「大丈夫。50歳を過ぎれば自ずと利他になれるから」

実際若くても利他の生き方を徹底している人はいるので
私の回答は正解ではないと思います。
が、自分自身や同世代の友人たちを見る限り
50歳を超えてからごく自然に「利他」の生き方が
できる人が増えているように思います。

先日も、著名なコラムニストである
志賀内泰弘氏を囲む会があり参加してきました。
そこには、50歳越えの経営者や教育者の方が多数いました。
彼らは自己紹介タイムで彼らは、次のような挨拶しました。

100年続く老舗旅館の女将は
「外国人のお客様に、接客ひとつでこの国のイメージが
悪くなったら申し訳ない。
『また来てみたい』と言われることを目指しています」

特別支援学級の先生は…
「もっともっと勉強しないと子供たちに申し訳ない」

運送会社の経営者は…
「自分の周囲には旅立たれる人がいる。
自分が生かされている意味は何か?を考え行動したい」

これらを聴きながら、皆さん、
素晴らしい利他の実践者だと思いました。
私には「自分は社会を良くする『道具』だ。
この道具を活かして社会を少しだけ暮らしやすくしたい」
と言っているように聞こえました。

しかし、そう考えるようになるのは簡単ではありません。
仏教では『利他』という言葉の前には『自利』があります。
『自利利他』でひとつの熟語です。
まず先に、自分を利する(エゴを満たす)。
その後に、他社に喜んでもらう、という意味です。

私自身で言えば、50歳までは自利のみで生きて来ました。
25歳で企画したラベルライターが大ヒットしました。
以来「あのラベルライターを開発した人」という
看板を背負いました。

私はこの大きな看板に随分と苦しみました。
「一発屋」とか「なんだ、どれだけすごい人かと思ったが、
たいしたことないね」と言われることに怯えました。
実際にそう言われたことはありませんが、
自分の小ささは自分が一番よくわかっています。

そうではなくてその逆で、
「さすが、あの商品を作った人だ」と、
何とか看板に相応しい人になろうともがき続けたのです。

こうしたもがきは、二世経営者の皆さんも同じです。
「息子だから実力もないのに跡取り」とか
「あの会社を継ぐ人だからどれだけすごい人かと思ったが、
たいしたことないね」と言われるのが怖いのです。

その逆で「あの人は若いのに良い経営をするね」
と言われることが「もっと学びたい、頑張りたい」という
モチベ―ションの源泉だという人は大勢います。

そして、そういう頑張りを10年、20年と続けてくると、
自分の中で足りなかった『自利』が満たされてきます。
すると、今度は「自分が継いだこの会社を用いて、
世の中にもっと役立てることを考え実践したい」とか
「もがき続けてきた自分だからこそ
世の中に役立てることがしたい」と考えるようになります。

こうした欲求を理念経営協会の窪田貞三理事長は
これをマズローの欲求5段階説における
第6段階の欲求だとし『自己超越願望』と命名しています。
欲求の中から「自我」がなくなるのです。

その気づきに至るのがだいたい50歳ということです。
そう信じて若いうちは納得のいくまで
『自利』を求めてみてはいかがでしょうか?

エゴは捨てるものではなく、消えるものです。
そしていつしか自分の中にどんな『利他』の精神が
芽生えるのか、それを楽しみに待ちましょう。

 

V字研メルマガ vol.213「なぜ日本人は浅田選手が好きなのか?」

2017年4月17日 / 18時55分

浅田真央選手が引退しました。
彼女の引退会見や報道のされ方を観ていると
いかに彼女が愛されていたかよくわかります。

魅力いっぱいの彼女ですが
私から見て最も魅力的に思えたのは
「浅田真央にしかできない技がある」ということです。
言うまでもなく、トリプルアクセルです。

彼女は、自分の代名詞になったその技に
ずっとこだわり続けてきました。

そして、ショートで失敗しても次のフリーで、
また失敗するリスクがあるかもしれないのに
果敢にトリプルアクセルを飛びます。

「無難にまとめる」という発想はなく
「常に挑戦する」。これが浅田真央選手の真骨頂でした。

かつて米国の男子選手で、4回転を飛ばずに
無難にまとめて金メダルを獲った選手がいましたが、
そういう選手は名前も記憶されません。
そのとき果敢に挑戦し、敗れたプルシェンコ選手の方が
記憶に残っています。

日本人は「自分にしかない技術を磨く」生き方が好きなのです。
それには2つの理由があると思います。
第一は、技術力こそは資源を持たない日本人が
世界から必要とされる唯一の方法だからです。

第二は、日本人は常に「周囲に合わせないといけない」という
集団主義に縛られているからです。

特に、自分が挑戦してみたい、
変えた方が良いと思うことがある場合、
「若造は引っ込んでいろ」「女は黙っていろ」
「皆が笑っているよ」「お前はどこの出身だ?」
「お前にできっこない」「前例がないからダメだ」など、
変化を否定する意見を山のように浴びせられます。

経営者であれば銀行に「やりたい!」という意思を伝えても、
「担保がありますか?」と返されます。
このような縛りを苦々しく思っている人は大勢います。

その縛りを破るのは容易ではありません。
「想い」だけで周囲を説得しようとしても、
理解してくれる人はほとんどいません。

それをうち破る唯一のものが「技術」です。
仮に完成していなくとも、
「こんなに凄いものがあるので挑戦させてください!」
と言えば、ごく一部の人だけかもしれませんが
想いを理解してもらい、この壁を打ち破ることができます。

つまり、「自分にしかない技術を磨く」ことに
一生懸命になれる人は、
この閉そく感を打ち破る可能性を持った人なのです。

かつてフライングガールと呼ばれた伊藤みどり選手、
得点にならなくてもフリーの中に彼女にしかできない
イナバウアーを組み込んだ荒川静香選手、
そしてトリプルアクセルにこだわった浅田真央選手。

彼女たちは、女子フィギュアという、
体系的には白人の方が圧倒的に有利な思えるスポ―ツで
オリジナル技を武器に常識を打ち破った選手たちでした。

特に、何度もその技に挑み、
よく失敗もし、それでもなお挑み続けた浅田真央選手には、
「開発してまた失敗、また失敗」を繰り返す
技術者の姿が重なります。

彼女は記者会見で
「トリプルアクセルに声をかけるとしたら?」と質問に
「なんでもっと簡単に飛ばせてくれないの?」と答えています。

これは、こんなトライ&エラーを繰り返している
技術者の言葉そのものです。
「どうしてもっと簡単に動いてくれないの?」
「どうしてもっと簡単にわかってくれないの?」
普段、実験室や工場、会議室でこんなセリフをつぶやいている
多くの技術者は、この浅田選手の言葉に
共感したのではないでしょうか?

浅田真央選手を評して
「彼女は国民の末娘のようだった」という
新聞のコラムもありましたが、
とてもそんな老人の視点で彼女を見ることはできません。

それより、彼女は世界に挑戦する
ジャパニーズエンジニアそのものだった。
私はそう信じ、イチロー選手と同じように
彼女を今後もリスペクトして行きたいと思います。

 

V字研メルマガ vol.212「知識と知恵の違いを分かっていますか?」

2017年4月11日 / 19時36分

あなたの会社では社長や上司が
「もっと知恵を出せ!」とうことはありませんか?
私はよく、社長のこんな嘆きを聴きます。

「うちの社員は、言われたことはちゃんとやるが、
ちっとも知恵が出ない。酒井先生、どうしたらいいのでしょう」

社長の悩みはもっともです。
知識と知恵では何が違うか。
ここがわかっていないと、この問題は永遠に解決できません。

先日、ある業績不振会社で
業績回復のためのコンサルティングを行いました。
私のコンサルティングの常ですが、
業績回復コンサルティングの場合は
そのクライアントでプロジェクトチームをつくります。
メンバーは概ね4人~10人くらいです。

そして、最初の段階で「業績不振の原因は何か?」を
クライアントのメンバーの皆さんに考えていただきます。

すると、いろんな意見が出てきます。
以下は、ある消費財メーカーのケースです。

・販売店が高齢化して、後継者いないので売上が減少している
・顧客が高齢化して使用量が減り、商品の購入頻度が減っている
・値上げした影響で顧客が他社に流れている
・魅力的な新商品を開発できていない
・部門の責任者がコロコロ変わって方針が一貫していない
・販売店の意見を販促策に取り入れて来なかった

いずれももっともな話です。
そこでこれらが出尽くした後で、私は次のように言います。
「で、これらは誰のせいですか?」
「会社ですが?上司ですか?
 販促を考える部門ですか?商品開発の部門ですか?」

どのクライアントもこの問いに押し黙ります。
皆、「自分のせいだ…」と気が付き始めます。

魅力的な新商品ができないのは、強く要求しなかった自分。
販売店の意見を販促に活かさなかったのも自分。
顧客の高齢化に対し何の手を打って来なかったのも自分。
販売店の後継者育成を怠ったのは自分。
それらを会社のせいにしていいや、としていたのも自分。

「原因はどっかにあって、そいつを何とかすれば会社はよくなる」
そう思っていたメンバーたちの矢印がどんどん自分に向きます。

そして、「原因は自分だ」「自分が変われば結果が変わる」
「自分の何かを変えよう」というように、思考が進みます。

すると、いろんなアイデアが浮かびます。
「ターゲットはこのまま高齢者でいいのか?」
→「そもそもこの商品の魅力は何だったのか?」
→「今その商品を必要としている人たちは?」
→「その人たちに強く必要とされるための改善策は?」
→「それが届く販売促進策はどんなのがいいのだろう?」

このような流れで思考をしていくと、
「やるべきこと」が見えてきます。

こうして生まれる「やるべきこと」を「知恵」といいます。
知恵とは、自分に矢印を向け、
「さあ、あなたはあなたの何をどう変えるの?」と
問いかけたときに生まれてくるものです。

一方、知識は物事を見つめ、
「ここは〇だけど、ここが×だな」と
客観的に判断するときに用いるものです。

よって知識ばかりが豊富な人は、評価はできるのです。
×なものを×という評論家にはなれます。

しかし、評論家は「じゃあ、どうする?」がありません。
知識だけでは知恵は出ないのです。
評論家の中には「こうした方がいい」と語る人もいますが、
多くは実行段階での障害を抜きにした理想論です。

MBAホルダーや資格ホルダー、大手からの出向者、
転籍者が大した仕事ができない原因はここにあります。

知恵が出せるのは当事者意識を強く持ち、
本当に「この状況を何とかしたい」と思っている人だけです。
そして、それはトライ&エラーの繰り返しの中で
見つけていくしかないのです。

あなたの会社は、評論家ばかりではありませんか?
現状打破・目標達成に必要なのは
知識ではなく、知恵です。
良い知恵が出るよう、自分責任論で考えてみましょう。

 

V字研メルマガ vol.211「目先の利益ばかりを追っていないか?」

2017年4月11日 / 19時35分

この春、息子が大学に進学しました。
餞に、『LEADERS』のDVDをプレゼントしました。

『LEADERS』は
トヨタの自動車事業の誕生秘話を描いたドラマです。
先ごろ『LEADERS2』が放送されましたが、
どちらも情熱が滾る良いドラマでした。

主人公のような崇高なビジョンを語る人になって
欲しいわけではありません。
技術者を目指すなら、主人公を支えた多くの人たちのように
「世の中を良くしたい」という想いを抱いて
学習と研究を重ねて欲しいからです。

このドラマは、何といっても
トヨタ自動車ならぬ愛知自動車の理念が素晴らしい。
主人公の愛知佐一郎は
自動車産業に賭ける情熱を次のように語ります。

「資源を奪い合いが原因で戦争が始まった。
そして、資源が足りないから戦争に負けた。
わが国は、資源のない国に相応しい車を創らないといけない」

わが国の問題を克服するための技術を磨こうというのです。
事業で成功するには独自性が大切ですが、
独自性の前に大事なのは公共性です。
私利私欲のためでなく、世の中を良くするために事業を行う。
その部分を規定しているのが理念です。

当時は、日本の技術は
欧米に50年遅れていると言われていました。
最新鋭だと思っていたゼロ戦や軍艦で敗れた直後です。
技術に対して勝てるはずがないと諦めて当然です。

さらに、米国企業がわが国国内に工場を創る話があり、
「日本人の日本人による日本人のための」なんていうよりも
その方が早くて正確じゃないか、という意見が圧倒的でした。

しかし、それだと米国を儲けさせるために働くようなもの。
それに対し、佐一郎は次のように言います。
「自動車産業が成長すれば、エネルギー産業も、
素材産業も、インフラ産業も成長する。国の礎になる。
自動車産業で日本を復興する」

つまり、日本の未来のために、より裾野の広い
国産自動車産業を自分たちの手で興さないといけない、
という強烈な使命感です。

こんな理念を語る佐一郎に対し、メインバンク西国銀行は
「機(はた)屋には金を貸すが、鍛冶屋には貸せない」と
融資を断ります。
機屋とは愛知の自動織機部門のこと。主力事業です。
鍛冶屋とは愛知の自動車部門のことです。新規事業です。

その真意は「短期的な儲けが見込める事業には
カネを貸すが、不確かな長期的なビジョン、
あるいはミッションには金を貸せない」という意味です。

それに対しドラマの中で日銀名古屋支店長は、
この言葉を言った西国銀行の支店長に
「銀行家の風上にも置けない」と一刀両断で切り捨てます。
短期的な儲けにしか関心のない銀行家は、
銀行家ではないという意味です。

この言葉が今でも人の心に刺さるのは、
「世の中を良くしたい」と考えて行動を起こそうとする人を
人は皆、応援したいと思っているからでしょう。

先日、ウーバージャパンの高橋社長の講演を聴きました。
ウーバーは、「スマホで呼べばすぐ来るタクシー」です。
ただし、来るのはタクシー会社の人ではありません。
普通の人です。暇なときに副業でドライバーをする人です。

そんなウーバーは、単に便利だから
普及しているだけではありません。

高橋社長は「ウーバーで相乗りが増え、渋滞が緩和される」
「ウーバーが広がり、タクシー会社のない過疎地などの
買い物難民700万人の足ができる」
「わが国に6000万台ある車の稼働率は2%。
動いていない98%の資源を有効利用する」
「副業を増やし、ワークライフバランスを実現する」
などの公共性の高い事業であることを語ります。

そこに共感するからこそ昨年時点で
世界75カ国、450以上の都市、45か国語対応
累積20億回以上の利用がなされているのでしょう。

ミッションを語る人は今も昔も
大馬鹿野郎扱いされますが、
ミッションにこそ人は共感し、集まり、応援する。
『LEADERS』はそのことが伝わるドラマでした。

どの会社にも公共性を重視した理念はあります。
私も息子に求めるだけでなく、
まず自分が、理念を忘れずに息抜きたいと思います。

 

V字研メルマガ vol.210「働き方改革を実現する3原則とは?」

2017年4月5日 / 21時37分

遅れていた桜もようやく満開。
皆さんの会社にも新人が入ったのではないでしょうか?
彼らの姿は初々しくていいですね!!
見ているだけでこっちも明るくなれます。

さて、昨今はどこの会社も
「働き方改革」を新年度方針に盛り込んでいます。
残業の抑制など様々な取り組みが行われていますが
あなたは、その進み具合を何で測りますか?

もし新人を採用した会社なら、
是非「新人の定着率」を「働き方改革」の
進み具合を測る一つの指標にしてみましょう。

当社が働きやすい会社かどうか一番敏感なのは新人です。
ベテランはサービス残業、パワハラ、モラハラなど
「職場とはそういうものだ」と当たり前に受け止めています。
が、新人にとってこれらの行為は当たり前ではありません。

もしそんな行為が目の前で行われていたら、
「ここはブラックだ」と思い、辞めるだけです。
若い働き手を求めている会社はいくらもあります。

また、新人には、わが社のミッションがどうかとか、
チームの目標がどうかとか、関係ありません。
彼らの関心は「周囲の人とうまくやっていけるかどうか」です。
もし、「ここにいたら私はダメになる」と感じたら辞めます。
逆に、「ここなら、私、頑張れる」と思ったら、定着します。

「ここなら、私、頑張れる」と思える職場は
誰にとっても理想の職場ですよね。
ですから新人の定着率が、そのまま「働き方改革」の
進み具合を測るバロメーターになるのです。

では、そのような環境を整えるにはどうしたら良いでしょうか?
教育哲学者・森信三先生は、
以下の3つを良い環境づくりの3原則と述べています。

1. 時を守る
2. 場を清める
3. 礼を尽くす

まず「時を守る」は時間を守ることです。
良い会社は言うまでもなくこれが徹底しています。
時間前には全員集合し、時間通りに始め終われるよう、
ひとり一人が努力をしています。

昨今では、ダラダラ残業や長時間残業禁止、
サービス残業禁止などの方向にありますが、
労働時間管理をしっかり行うことも「時を守る」に入ります。

次に「場を清める」ですが、これは5Sを指します。
キレイな職場は働いていても気持ちが良いものです。
逆に汚い職場、いらないものが捨てられず、
どこに何があるのかわからない職場は気持ちが沈みます。

今から20年前、NYは犯罪の巣窟でした。
旅行者は絶対に地下鉄に乗ってはいけない、
と言われていました。

当時のNYの地下鉄は落書きだらけでした。
そこで交通局長は、地下鉄の落書きを徹底的に消しました。
「そんなことするより取り締まり強化を」という
意見がありましたが、落書き消しの効果は抜群でした。
年間60万件もあった重大犯罪は何と1/4にまで減ったのです。

キレイな空間は人を前向きにする力があります。
また掃除や片付けでは新人でも即戦力になれます。
君は熱心だと周囲に認められ、
同僚とのコミュニケーションも活発になります。

第3の「礼を尽くす」は、
何はなくても挨拶、そして「声がけ」です。
「おはよう。今日も元気そうだね!」
「おはよう。今日も良い笑顔だね!」
「おはよう。さ、今日はどんな楽しいことがあるかな?」
「おつかれさん。どうだった?大変だったでしょう」
「おつかれさん。できるようになった?すごいね!」

こんな感じで周囲の人が自分を気にかけてくれたら
新人に限らず誰でも嬉しいのではないかと思います。

しかもそれを自分が「こんな顔して言われたら、
絶対に相手は嬉しくなるだろうな」と思う表情付きで行います。
すると、相手は必ず「頑張ろう」と思うでしょう。
私はこんな表情を「美味しい顔」と呼んでいますが、
職場のひとり一人がお互いに交わす「美味しい顔+声がけ」は、
モチベーションの維持に欠かせないのです。

是非、この当たり前の3原則を実施して
新人の定着を図りましょう。
新人の定着は近い将来の有スキル者の増加につながります。
そして、真の意味での
「働き方改革=生産性向上」を実現してください。

 
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株式会社 V字経営研究所

株式会社V字経営研究所は、2014年4月に起業した、次世代経営チームの育成を支援するコンサルティング会社です。 「 事業と人財のV字回復するプログラム、あります 」 をスローガンに、企業の最重要課題である増収増益の実現と人財が育つ仕組みづくりを支援します。また、その実践を通じて社長が右腕と頼む次世代経営チームを育てます。次世代経営チームが強くなれば、今日出会ったお客様と、100年後も付き合い続けることができるでしょう。
企業がそのような100年ブランドへと成長することが当社の理想です。

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