マスコミ取材・講演依頼各種お問合せ03-4455-4688
 
最近の投稿記事
 

V字研メルマガ vol.14 多数決より、納得を生む対話を重ねよう

2014年9月30日 / 11時14分

先週スコットランドの独立を巡る住民投票が行われましたね。

住民にとっては国家を選ぶという、超大切なこと。
それを多数決で決めるしかないのかな?
クリミアの時もそうでしたが、私にはどうも納得がいきません。

多数決は民主主義の象徴のように言われていますが
多数決は民主主義の本質ではないと思います。

多数決は、対立を生みます。
負けた方は、理由がどうあれ勝った方を恨むに決まっています。
だから、私は仕事では「絶対に多数決はしない」と決めています。
どれだけ意見が分かれても、双方が納得するまで話し合うのです。

民主主義の醍醐味は、双方がお互いの考えを述べ、
納得を得ながら徐々にどちらかの意見にまとまるか、
あるいは双方が納得する第三案が生まれるところにあります。
そこが、封建主義や絶対王政時代とは違うとこです。

ビジネスでも同様に多数決で決まる意見が正しいとは限りません。
社内では少数派の意見が、お客様から支持されることはよくあります。
私がブラザー工業の入社2面目に企画を担当した
P-touch(ピータッチ)の時もそうでした。

P-touchは、現在米国でシェア70%以上を誇るラベルライターです。
国内ではキングジムにOEMし、テプラの名で1988年に販売され、
今日でも広く愛用されている大ロングセラー商品となっています。

そんな大ヒット商品も、試作品を作り、
市場調査を行ったときの結果は散々でした。
例えば13社の文房具屋のバイヤーに試作品を診てもらったのですが
「これは凄い!売れるぞ!」と言ってくれた先は2社だけ。
後の11社からは不評でした。

まず、プリントゴッコと比較されました。
「テープにしか字が打てないの?
せめてハガキぐらい打てるようにしてよ」
そして、ワープロと比較されました。
「一行しか打てないのに1万5千円だなんて価格が高過ぎるよ
ワープロはA4用紙全部に打てて3万円。せめて1万円切らないと」

この結果が、同社の「販売企画会議」に諮られました。
この会議は量産試作の予算をとる会議です。
参加者は、専務以下の役員や事業部長など役職者ばかりです。
もしここでNGならば量産は行われず、企画はお蔵入りとなります。

この会議で、当時入社2年目だった私に発言する
権利はなく、後方から役職者たちをただ眺めていただけでした。
会議では、市場調査結果から予測された
P-touchの年間の販売予測台数は2万5千台だと発表されました。

当時、市場投入OKは10万台以上、損益分岐点は6万台で、
それには遠く及びませんでした。
これが引き金になり、採決の結果P-touchはNGとなりました。

私の中に、釈然としない思いが残りました。
「2万5千台しか売れない→足りない→NG→終わり!」
と切り捨てるのではなく、
「2万5千台を10万台にするための課題は何か→
どうしたらその課題は克服できるのか
→現場は考えろ→もう一度プレゼンせよ!」
そんなチャンスがもっとあるべきではと思いました。
2社でも「これは売れる!」と言ってくれた人もいるのです。

この会議の翌日から、私は社内失業をします。
P-touchプロジェクトがお蔵入りになったからです。
ふてくされた私は社内の行先表示板に
「ストライキ」と書いて、何日も会社を休みました。

この商品は後にキングジムさんにOEM供給され、
「テプラ」のブランド名で世に出ます。
それが爆発的にヒットしたのは皆さんご存知の通りです。

私はこの時の経験から少数派の意見を無闇に切り捨てず、
納得のいくまで検討を繰り返すことの大切にしています。

特にV字回復する事案の多くは、多数派の考え方に
問題があるから落ち込んでいるのです。
そうした企業ほど、少数意見に復活のヒントがあるのです。

憎しみを生む多数決より、納得を生み出す対話を重ねる。
これからも自分のスタイルを大事にしていきたいと思います。

各種お問合せ・ご相談

新商品開発、プレミアム人財の育成、営業力強化などのご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
各種お問合せはこちら
マスコミ取材・講演依頼はこちら

株式会社 V字経営研究所

株式会社V字経営研究所は、2014年4月に起業した、次世代経営チームの育成を支援するコンサルティング会社です。 「 事業と人財のV字回復するプログラム、あります 」 をスローガンに、企業の最重要課題である増収増益の実現と人財が育つ仕組みづくりを支援します。また、その実践を通じて社長が右腕と頼む次世代経営チームを育てます。次世代経営チームが強くなれば、今日出会ったお客様と、100年後も付き合い続けることができるでしょう。
企業がそのような100年ブランドへと成長することが当社の理想です。

PAGE TOP